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学力向上へ、夜スペ始まる

2008-01-26 23:33:43 | Weblog
和田中の「夜間塾」スタート 塾講師が11人に授業(朝日新聞) - goo ニュース

あまりこの話題に触れるつもりはなかったのだが、
塾禁止!などと言う議論がTVでなされていたので、
少し考えで見ることにした。

学力、これはテストの点がいいとかではなく、
もう少しざっくりとしたイメージで考えてもらいたいのだが、
学校教育は、平均的学力の持ち主が理解できるように進められる。

これは、集合教育である以上、宿命的なもので、
全員が理解できるまでとことん教えるのは無理なのだ。

しかし、それは落ちこぼれを切り捨てることに他ならない。

全体の学力を底上げし、落ちこぼれを防止する。
今までの公教育はその観点で行われてきたと思う。

もともと中位レベルの学力をターゲットにした授業は、
上位レベルの生徒にとってはつまらないものになる。

落ちこぼれを防止する、なくすことは、
それはそれで大切なことであるし、
公教育の責務であるとも思う。

しかし、それが全体の教育のレベルを下げてしまい、
学力のある子にとって、学校教育をますます面白くないものに
していることも確かだろう。

この場合、学力のある子をもっと伸ばしてやる、
特に自分からどんどん先へ行くほどでもないが、
授業のレベルでは易しすぎる子を伸ばそうというのが、
この夜スペの趣旨らしい。

こう書くと、できる子だけ特別扱いするな、と言う意見が必ず出てくる。
しかし、考えてみてほしい。

例えば、小学生で運動能力に優れ、鉄棒の得意な子がいるとしよう。
しかし、体育の授業では「逆上がり」までしか教えないとする。
しかも、逆上がりが全員できるようにできない子を中心に教える。

逆上がりのできない子は、そんなに珍しい存在ではないはずだから、
全員逆上がりできるようにしよう、というのは体育の授業の目標として、
決して簡単なものではないはずだ。

その場合、このできる子にとって体育の鉄棒授業は
とてもつまらないものになる。

鉄棒の授業だけでなく、学校の体育そのものが嫌になるかもしれない。
そして、それ以上運動能力が伸びることもなくなるかもしれない。

それが果たして公平か。
できる子にはもっと難易度の高い課題を与えて、伸ばしてやっていはずだ。

授業が学校教育が、そこまでできないとすれば、
もっとやりたい子は体操教室へ通ったりするだろう。

逆上がりのできない子をなくすために
体操教室へ行くのは禁止する。

学力の格差をなくすために塾へ行ったり、
できる子に難易度の高い教育をすることを禁止するのは
それと同じことではないか。

伸びる子は伸ばしてやればいい。
算数の得意な子もいれば、国語の得意な子もいる。
足の速い子もいれば水泳の得意な子もいる。
歌のうまい子もいれば絵の上手な子もいる。

また、今はそれほど目立たなくても、
才能の芽を伸ばしてやればぐんと伸びる子だっているでしょう。
その場合、最初に思っていたのと違う方向に伸びることもあるでしょう。

確かに親の収入や生活環境によって、
塾や体操教室に行きたくてもいけない子もいる。

だからと言ってできる子だけ優遇するのはおかしい、として阻害したら
才能の芽を摘むことになりはしないか。

才能があるのに本人が希望するのにチャンスが与えられないとしたら、
それはよくないし、その阻害要因が経済的なものであったり、
生活環境によるものであったら支援する手立てを考えてもいいと思う。

同じように、平等に教育する、それは正しいと思う。

しかし、平等は機会の平等、権利を平等に与えると言うことであって、
結果の平等を保障することではないのだ。

結果の平等を目指すことは、型にはまった個性のない人間を
大量生産することではないのか。
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