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「ふるさと納税」には反対、都市部の不公平を助長

2007-05-12 12:07:35 | Weblog
ふるさと納税「ナンセンス」 石原都知事が批判(朝日新聞) - goo ニュース

ふるさと納税 具体化着手 自治体間で奪い合い? 行政サービス不公平感?(産経新聞) - goo ニュース

別に石原都知事の意見にいつも賛成しているわけではないのだが、
この件に関しては一言言いたいと思っていた。

何故反対か、にはいくつかの理由があるが、
住民税は行政サービスの対価の側面がある。

住民税を一部別の自治体に払うということは、
行政サービスと税負担の公平性から見て明らかにおかしい。

行政サービスを受けておきながら、その対価は別の自治体に払うなんて、
サービスのただ乗りである。

この点、自民党税調には批判的な意見が多いと聞くが、
もっともなことである。

特に大都市では、周辺都市から通ってくる非居住民に対しても
行政サービスが必要で、居住民の住民税を取り上げるような
施策は到底容認できない。

周辺都市にしても同じ。
都心に通うサラリーマンや学生などの行政サービスが少しは減るが、
生活の本拠地は周辺都市であり、家があり家族が生活している。

大勢の生活の基盤がある居住地へ支払うべき住民税を取り上げるのは、
どう考えてもおかしいと思わざるを得ない。

行政サービスを受けるだけ受けて住民税を払う年になると都会へ出ていく、
ともっともらしいご託も書かれているが、
都心部は少子高齢化が進んでおり、住民税を払わない比率はかえって高い。

そしてそういうところほど、住民税を払わずに通ってくる昼間人口が多い。
それらの人の行政サービスのために法人税があるわけで、
別の議論だが、本社機構は工場などより、行政の金が必要ないのに
多額の税金を納めているという議論は観念的に過ぎる。

支払う税金と受ける行政サービスを比べると、
もともと都会では赤字(払う税金の方が多い)で、
地方は黒字(受けるサービスの方が多い)だったはずで、
それは今も変わらないはずだ。

じゃ、その差額はどこから出ているのかと言えば、
地方交付税であり、諸々の補助金である。

その上さらに住民税を格差是正などと聞こえのいい言葉で
都会から金を取り上げて、地方へばらまこうとするのは、
不公平の拡大に他ならない。

ただでさえ、一票の格差のある都会、
つまり政治に対するひとりひとりの重みが軽い都会から、
地方へ金を持っていくことで票を取ろうということなのか。

地方だって、喜んでいられないんですよ。
一体いくらの住民税が降ってくるかは全く予測できません。

それに「ふるさと」と言えば地方のことだ、
なんて誰が決めたんですかね。
ふるさとが都会だって人も多いんじゃないの。

未だに大多数が地方から都会にやってくると思っていたら大間違い。
仮にこの施策が実施されても恩恵を受ける地域は
かなり限定されるんじゃないかな。

まるで地方財政が潤沢に潤うかのような錯覚に踊らされて、
ふたを開けてみればさっぱり。
むしろ事務処理の負担が増すだけ、と言うことだってありうる。

こういう案が、しかも中身がよく判らないで期待だけ膨らむようなものが、
この時期に出てくるということは、やっぱり参院選挙対策ですかね。
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