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新型コロナウィルス世界の状況(比較に意味があるのか疑問を感じつつ)

2020-04-18 15:38:44 | 観察
他の国と比較することにどれだけ意味があるのかは疑問ですが、数字は追いかけています。

ただマクロ的にみると、死亡率が上がっている国は医療崩壊が進んでいるんだろうなとか、
死亡率が低い国は頑張っているのかとか、数字は正しいのかなとかいろいろ考えてしまいます。

当初、ヨーロッパの中では際立って死亡率が低かったドイツも、日本、韓国、トルコを抜いて3%に近づいてきました。
逆に死亡率が際立って高かったイタリアはまだ伸びてはいるものの「フランス、ベルギー、イギリスよりはまし」になってきました。
死亡者数が多い国では、これらにスペイン、オランダを加えた国が死亡率10%超で、ヨーロッパ全体でも10%近くになりました。


ところどころグラフが大きく跳ねているのは、私の転記ミスの可能性があります。

一方レコードチャイナの数字を見ていると、こういう数字に対する考え方が違うのか、レコードチャイナの調べ方の問題なのか
分かりませんが、治癒数がなかなか更新されなかったり、ドイツのように治癒数が荒い(下2桁0が続いている)国もあります。

レコードチャイナが現在の患者数を、累計感染者-死亡者-累計治癒者で計算して、その順で並べているので、累計治癒者数の
優先度が低い国は現患者数も信頼度が低くなります。

なお、治癒者数の優先度が低いというのはあくまでも数字の話であって、治癒治療をおろそかにしているという意味ではありません。
治癒治療に全力を挙げているからこそ、時々刻々と変化する治癒者数を常に最新の状態にする手間を惜しんでいるのかもしれません。

そういえば感染者数や死者数も各国の考え方思惑が反映されている可能性があります。
例えば中国は死者数が実際より1000人以上少なかったとして訂正しましたが、肺炎の症状があっても検査確定前に死んだ人、
自宅療養中に死んだ人はカウントしていなかったからと言うことです。

同様に自宅でも死者はカウントしていない国もあれば、死後の検査によって感染が分かればカウントしている国もあります。

中国の死者数は千何百人増えても5千人未満であり、死者数の多い順でいえば9番目から8番目になった程度です。
最大はアメリカの3万人越えでイタリア、スペイン、フランス、イギリスが1万人を超えています。

国別の死者数は大きく開きがあり、多い国から50か国を見ても、450倍以上の差があります。
勿論、3億人のアメリカ、14億人の中国と1千万人のベルギーを同列に扱えませんが、比較に意味があるのかも疑問です。

死者数の多い順にプロットしてみました。(57か国あります)


赤の折れ線は、死者の人口比を示しています。
死者数も国によって大きく差があり、少ない国はグラフの下にへばりついてしまっているので対数表示にしてみました。


死者数で比較するのはたいして意味がないと思うので、人口比で並べ替えてみました。
数字の精度、確度が一律ではないので順序にどれだけ意味があるかは疑問ですが、とにかくやってみました。


グラフ描画の都合上、人口比の死者率は1千万人当たりになっています。
ワーストのベルギーは人口1千万人当り4500人。つまり国民1万人当たり4人が死亡しています。
日本で換算してみると5万8千人と驚くべき数字になりました。

日本では連日新規感染者数が増えていることが大きく報じられ、東京ではついに200人を超えました。
東京の累計感染者数は2500人を超え、間もなく3千人に達するでしょうし、国内の感染者数(クルーズ船除く)は
今日にも1万人を超えるでしょう。

死者は200人ほどですが、感染して重症化し死亡するまでのタイムラグがあるので感染の急拡大時期は、
計算上死亡率が下がっても全く安心はできません。

数字は各国の事情、考え方を反映した結果なのでどこまで意味があるのかを疑問に感じつつ数字を追っています。

例えば感染者を見逃すよりは非感染者を感染と誤認する方がましと考えれば、検査はどんどんやって陽性者はどんどん隔離し、
きちんと検査なり治療なりしてから退院してもらえばいい、と考えるなら、多少精度の落ちる検査でもどんどんやり、
感染者数は多く治癒者数も多く出るし、本当の重症者は少ないので死亡率は低く出ると思われます。

一方明らかに無駄な検査をすれば、医療関係者に無駄な時間を割かせ、機材を無駄にし、治療が必要な人に手が回らないので、
検査は疑わしい人に限り、念のための検査はしないとの考えも成立します。
ただ、その場合は感染が疑わしい軽症者を見逃す可能性があり、感染拡大を防ぐことができないかもしれません。

時間、人、機材、資金等々有限の中でどれを優先しどれに注力するかは難しい問題です。

前述のように治癒者数にしても報告より治療が優先だと考えるなら、逐一の報告ではなくまとめてやればいいし、
治癒者数を即時公表することで安心感を与えることが大事であれば、多少手間でも頻繁に報告することになります。

入院のキャパと患者の発生状況が大事なので、現在の患者数が最も重要と考えるのか、みんなに危機意識を持ってもらうために
累計の死者数や患者数が大事と考えるのか、直接今後の行動に結びつけるために過去の発生数より日々の増加数の方が大事と思うのか、
数字には意味があり意思があります。

一方のメディアにしても視聴者の注目を得るためには大きい数字、インパクトのある項目が大事だと考えるでしょうし、
それがまわりまわって感染拡大を防ぎ、事態の収束に向かう近道だと考えているのかもしれません。


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