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歴史は後から語られる

2005-07-10 22:50:32 | Weblog
従軍慰安婦はなかった言葉 文科相がメールを紹介 (共同通信) - goo ニュース

その当時、そのような言葉があったかどうかは事の本質ではない。
大体歴史的な用語、言葉というのは後から語られるものだ。

例えば、ものすごく有名な「ゼロ戦」だって当時はそう言ってないと思うよ。
ゼロは英語だもんね。
零戦(レイセン)とか零式(レイシキ)と呼んでいたはずだ。
しかし、だからといって、ゼロ戦がなかったとは言えないでしょ。
単に呼び名のこと。

沖縄で多くの人が身を投げたバンザイクリフ。
米兵が名づけたものだ。
しかし、当時そう言っていたかは定かでない。後々そう呼ばれた。
でも、名前がどうあれ、多くの民間人ががけから飛び降り自殺をした事実は消すことができない。

広島の原爆ドーム。
あれだって、いつから原爆ドームと呼ばれるようになったのか。
もともと原爆だって、新型爆弾と言っていたし、「広島県産業奨励館」にドームを思わせる呼称はない。
だからって、被爆当時「原爆ドーム」と言う言葉はなかったっていう事に、なんか意味があるか。

むかし、カネミ油症事件と言うのがあった。
ずっとPCBが原因と言われていたが、後年の研究でダイオキシンが原因とわかった。
当時ダイオキシンの毒性そのものが判っておらず、当然ダイオキシン中毒と言う言葉もない。
だからといってカネミ油症事件がダイオキシン中毒でなかったというのは当たらない。

近年問題化して、最近もまた家族まで被害が広がっていたと問題になっているアスベスト。
長い間「石綿」と呼ばれ、昔は石綿の付いた金網を理科の実験で使っていたくらい普通に使われていた。
吸引による発ガンなどが問題視され、現在では非常に危険なものとして扱われている。
当初は、健康被害を受けても原因がわからなかった人も多いはずだ。
しかし、アスベストによる健康被害という言葉が当時なかったとしても、被害がなかったことにはならない。

言葉があったかどうかは事の本質ではない。
言葉がなかったのに、そう言うのはおかしい、と本気で思っているとしたら、
歴史が、後からカテゴライズして、命名すること自体が変だといっているのでしょう。

織田信長は、自分が生きた自体を安土桃山時代といわれることを承知してたのかな。
縄文式土器を利用していた人々は、その土器のことを縄文式土器と呼んでいたでしょうか。
古代の人は、墳墓を作るときに今回の墓は前方後円墳だ、と言っていたでしょうか。

いったい、中山文科大臣は、言葉があったかなかったかをどういう意味と捉えているのでしょうか。
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2 コメント

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Unknown ()
2005-07-11 15:25:20
「従軍慰安婦」という用語は「強制徴用」などと同じで、被害者性をことさら強調した、当時の実態にそぐわない用語であって、不適切だという意味だと思います。

決して当時慰安婦がいなかったと主張している訳ではないでしょう。

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戦後作られた自虐的用語 (KGR)
2005-07-11 16:16:56
メールを引用して、そうも言ってますね。

(中山大臣が直接言っているわけではない。あくまで引用)

http://news.goo.ne.jp/news/asahi/seiji/20050711/K2005071100150.html



当時の実態にそぐわない、のはそうかもしれない。

ことさら日本による戦争被害を強調することで自分達を正当化しようとしているのかもしれない。



多くの日本人と同じように、政府なり軍部なりの言うことは絶対的な(正しい)ものと信じていたのかもしれません。



でも後で振り返って、「ああ、俺たちは、なんて馬鹿なことをしたんだ。」と思っているかもしれない。



当時はそう思っていなかったはずだから、「あの時は馬鹿でしたなんて言わせない」というのは疑問です。



中山さんの発言は、

お前ら反対しなかったじゃん、あるいは賛成、あるいは積極的にやったんじゃん、

いまさら、だまされたとか、無理やりだったとか、非人間的だったとか言うなよってことではないでしょうか。



それに、いくらメールの引用だからといって、

売春を「プライドを持って取り組むことが出来る職業だった」というのはまずくありませんか。



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