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1995/1/17

2021-01-17 09:13:27 | 観察
1995/1/17(火)5:46頃、明石海峡付近を震源として発生した兵庫県南部地震。
後に阪神淡路大震災と呼ばれ、地震当日の死者だけで5千人余、関連死を含めた死者は6400人余。
負傷者は4万人を超え、全壊10万棟、半壊や焼失を含めた被害件数は25万棟を越えた。

関西は地震が少なく、それまでは震度3でもビビりまくるような土地柄。
私が東京に越してきた当初、地震が多いのにびっくりしたが、しばらくしたら慣れた。
しかし、震度4の地震が起ころうものなら、神戸の実家から心配して電話が掛かってくるぐらいだった。

そんな中での震度7(当時の最大震度は「6」で、この震災を経てその後「7」が設定された)。
余りの激しさに地震計の破損が多発。
通信網にも被害が出て、中央に実際の震度が伝わってこず、地震の規模を過小評価する向きもあった。
当時の総理大臣は社会党の村山富市氏。
第一報は入ったらしいが、死者数名との報告に、通常の公務をこなし、午後は財界人との会食に出席したと言われている。

1/17頃の神戸の日の出は7時を少し回ったぐらい。
6時前だとまだ真っ暗。
殆どの家は停電し、明かり代わりに使ったろうそくが火災の原因になった例もあったらしい。
石油ストーブを出している家も多かっただろうし、一旦火が付くとそれこそ手が付けられない状態に。

消防車は出動したが、道路も損壊し立ち往生、水道が使えず水が出せない。
どうして消火しないんだ、と怒鳴る住民もいた。
海から何kmもホースをつないでの消火活動もあった。
ヘリから現地視察をした筑紫哲也が立ち上る火災の煙を見て、あの有名な「まるで温泉街のようです」発言をした。

兵庫県知事も大阪府知事も情報が正確に上がっていなかったことはあるが、初期対応が遅れた。
電話が壊滅状態の中、現地にいた当時の与党の高見元衆院議員だったと思うが、唯一の通信手段だった携帯電話を使い、
官邸に被害の大きさを伝えたが、正確に伝わらなかった(大げさすぎると言われた)とされる。

1995年は携帯電話が爆発的に普及した年でもある。
3月下旬、現地入りした自分が被災地で携帯電話を手に被害状況を報告している人を見たのを覚えている。
この震災が携帯普及のきっかけになったとずっと思っていたし、先日ある番組で池上彰氏もそう言っていた。

この前年だったと思うが、カルフォルニア地震があり、高速道路が崩落したり損壊したりしていたが、
TVに出ていた専門家連は、日本では絶対に起こらないと言っていたはずだ。
しかし、現実には阪神高速は支柱の鉄筋コンクリートが破砕し、多くがなぎ倒された。

ビルは開口部が潰れ、1階の駐車場がぺしゃんこになったところもあれば、途中階が押しつぶされたところもあった。
根こそぎ折れて道路をふさいでいたビルもあった。
建設中の明石海峡大橋の橋脚が1m以上ずれたなんて話も聞いた。

当時、私は東京にいて池尻大橋の客先に出向いていた。
朝のTVニュースは大地震とは言っていたが、当初は死者数名の報道だった。
しかし、前述したように震度3でもビビるような土地柄で、さぞ心配しているだろうと思いつつ出勤。
時間が経つにつれ、被害の大きさがどんどん伝わってきたものの、連絡が取れないもどかしさがあった。
結果として、両親は大阪にいてさほど被害はなく、妹夫婦も神戸は神戸でも内陸の方だったので大丈夫だったが、
実家の家屋は全壊扱い。3月下旬に現地入りしたときは2階の居室から空が見えた。
そこらじゅうの塀や石垣が崩れ、家も無くなっているところが散見された。
妹の旦那の両親は西宮にいて家は倒壊。幸い命に別状はなかったが、しばらく妹の家に疎開していたらしい。

明石海峡から発生した断層のずれは南は淡路島に至り大被害をもたらした。
当初は阪神大震災と言われたこの地震に、阪神淡路大震災と「淡路」の文字が入った所以でもある。
北は神戸市に入って東へ折れ曲がり、神戸市を横断、芦屋市、西宮市へと向かった。

断層のずれからほんの少し離れただけで、被害が少なかったところもある。
いずれにしても都市型直下地震の恐ろしさをまざまざと見せつけた震災だった。

この後、「震度7」が作られたことは述べたが、建築基準法の見直し、緊急体制の整備や耐震補強工事など
多くの改善がなされた。
津波被害の恐ろしさを知らしめた東日本大震災が起こるまでは、戦後最大。
現在でも戦後2番目の被害規模となっている。

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