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プレSE、「少額訴訟」 第七章 その3

2008-05-13 13:19:21 | 趣味
「なんですか、その一割引きは。」

「査定だよ、会計課の。よくあるのよ。
 二千三百万は業者の言い値だろ。
 ま、頑張った数字ではあるだろうけど、
 入札となるともう少し頑張るだろうから、
 さらに一割くらいは安くなるんじゃないかってことさ。」

「じゃあ、少し高くしてくれって言われて良かったってことですか。」

「そうだね。向こうも富田がサバを読んでないって判ったんだと思うよ。
 普通は俺らは最初から数字に少し余裕を持たせてるからね。
 値切られることを覚悟してさ。」

「そうなんですか。
 どうりで、桜井さんは、最初から千百万くらいの見積りだったです。」

「そうだろう。出精値引きして千百万なんてね。」

「よく判りますね。端数切捨てで千百万になってました。」

「富田んとこは、どうなの。」

「うちは一千万がギリギリってとこですね、無理して。
 内部では、千八十万だったかな。
 それを一割り増しで、切り上げて千二百万。」

「いいところじゃない。ギリギリ掲示板かな。」

「なんですか、それ。」

「調達はさ、金額によって掲示板、文字通り掲示板なんだけど、
 そこに貼り付けて公示する場合と、
 官報に載せなくちゃいけない場合があるのよ。
 WTOとの決まりなんで、SDRの相場でその金額が変わるけど、
 いまは、丁度今二千三百万くらいがその分かれ目なのよ。」

「WTOにSDRですか。経済の授業を思い出しますよ。」

「それで、掲示板だと見に来なけりゃ判んないでしょ、当然競争相手が減る。」

「官報は、全国どこでも見れちゃいますからってことですか。」

「そうだよ。相手の少ない方がいいでしょ。
 せっかくここまで案件を育ててきて
 どっかにかっさらわれたらバカらしいじゃん。」

「でも、時間的にだんだん厳しいですよ。
 なんか教育もやらなきゃいけないですし。」

「ますますいいのよ。時間が厳しくて値段も安い。
 富田ならやる? 」

「いや、判りませんけど面倒かも。」

「それそれ。
 お客様がどう思っているか知らんけど、うちにとっては好都合なのよ。
 後になればなるほどうちに有利なわけよ。
 競合相手は仕様がわかってないんだから。」

「そういうもんですか。」

***

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「プレSE奔走す」 ISBN4-434-07543-8 1200円
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