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「ミステリと言う勿れ」第11巻

2023-09-16 20:26:24 | 本、コミック、雑誌、書籍
田村由美 著 「ミステリと言う勿れ」第11巻 2022/6 初版発行

ネットのお試し版を読んで嵌り、既刊本を大人買いしようとしたが、売切れてて買えなかった。
かなり待って、増刷されたので、第1巻から第6巻までをまとめ買い。
その一週間後に出た第7巻以降は第12巻まで初版 第1刷を買っている。

主人公は、アフロヘアの久能整(くのうととのう)。
幼いころネグレクトに遭ったようで(詳細不明)変人だが、持ち前の知識と洞察力で事件を解決してしまう。
事件毎に犯人に星座にまつわる「もの」が登場し、全体として大きな物語に発展していく様相を見せる。
そんな久能整と彼を取り巻く人々の物語。

主要登場人物は、警察関係に大隣署の青砥、池本、風呂光。
二重人格で入院中の美女ライカ。
大学の先生、天達准教授と大学の同級生の相良レン。
事件の関係で知り合った超絶イケメンの犬堂我路。
などなど。

**

episode 15 失われた時を重ねて

バレンタインデー間近のある日。
久能整は大学でいつもうざい相良レンに日当1万円のバイトに誘われる。

バイトの集合場所は、旧函館区公会堂を模して建てられてた洋館。
建物を管理する財団の理事、坂巻という凛々しい熟女が登場し、ぼやっとした秘書の桐江が配った詩の
感想を書くよう指示される。

真面目に取り組んでいるとされた人が残され、他はお金をもらって帰る。
その詩は坂巻の夫が22年前に書いたものだという。
坂巻の夫は認知症で30年前に一人で埋めたタイムカプセルの場所を忘れてしまい、取り出せなくなった。
そのタイムカプセルの場所を特定して取り出してほしいというのだ。

新たに詩と写真と地図が配られる。
参加者はそこからヒントを見つけようと考える。

相良は結構有名だというマンホールを確認し、本家(函館の本物の旧公会堂)と違うことを知る。
いろいろあって、タイムカプセルを埋めたのは実は坂巻で、桐江が夫。認知症は坂巻だとわかる。

地図には謎の黒いマークが何か所もついていた。
マンホールの図からのもとになったという桐江の切り絵を重ね、その上に地図を乗せると、たった1か所、
空白になる部分があり、そこがタイムカプセルの埋めた場所だと確信するがそこはすでに調べたという。

相良が気になっていた写真と実際の違いの違和感は、場所がここではなく本物の旧公会堂ではないかということ。
さっそくで電話してみると、改修工事の際に確かにタイムカプセルが発見されていた。
中からは当時の坂巻が書いた、桐江が好きだという詩が出てきた。
そして、タイムカプセルが取り出される15年後に告白すると書いてあった。
坂巻が認知症になりながらもタイムカプセルにこだわったのは、その詩を取り出したかったからだった。



episode 16 果報の塩梅

苦悩はフルーツサンドを買って、ライカに会いに行く。
一緒に食べようとして紙袋に「け」と書いた赤玉が、入っていたのに気づく。
気になってライカと二人で来た道筋をたどる。
途中で二人を陰から覗く小さい女の子を見るが、逃げられる。

二人は買い食いしながら、来た道を調べ、玉が商店街の福引のガラガラ抽選機の玉だと分かる。
ライカの記憶もたどり児童館で「け」が、やまなし青果店のけいたという男の子。
陰から久能を見ていた女の子があいだかのんだとわかる。

けいたは玉をビルの屋上に置いたと言い、かのんはビルの屋上から落ちてきたので拾って久能の袋に入れたという。
ビルにかかった垂れ幕がよれていることに気づいたライカは、久能と一緒にビルの屋上に上がり、倒れている老人を発見。
救急車を要請して救助することができた。

ライカは久能にチョコを渡し、久能は照れる。



episode 14.5 気が付けば潮目

第10巻のepisodeに続くナンバリングだが、別に17でもよかった気もする。
時系列的に14に続くのだとは思うが、作者にどういう意図があるのかはまだわからない。

ある日の午後3時。
桜の木の下でライカは生花を持って見舞いに来た男に出会う。
久能を探している我路(ガロ)だった。(実はライカに会いたかった)
ライカは、久能から聞いた話を我路にぶつけ、我路は久能がかかわった事件と星座アクセを知る。
中には我路の知らない案件も含まれ、久能とライカの不思議な関係を知ることになる。

我路は姉、愛珠(アンジュ)の死に深くかかわる心理カウンセラーの鳴子巽のバスルームの天井裏に忍び込み、
鳴子の動向を探っていたが、新しいことは発見できず、そろそろ切り上げる予定だった。
しかし、鳴子の新規患者のリストに広島で久能が巻き込まれた事件の「狩集汐路」の名があったことから、
危機感を抱き、もう少し天井裏に潜入することにした。

天井裏に潜んでいる間に鳴子が帰ってきたがまたすぐ出かけてしまった。
いつもと違うことに違和感を感じた我路。
漂流郵便局へ導かれた手紙こそが鳴子の仕業だったのではないかと考える。
急いで、撤収をしようとした我路だが、鳴子は燻煙式の殺虫剤を発煙させて外出していた。
我路は廊下の天井を蹴破って脱出したが、我路の行動が鳴子に誘導されていたのではないかと思う。



番外編 ある結婚の風景

ある日、エレベータに閉じ込められた久能と男性と女性。
男女はそれぞれがこれから結婚するにあたって、結婚式をどうするかで揉めているという。
結婚式をどうするかは、単に式の問題だけでなく、これからの生活設計や人生にまで影響することだという。

久能はお金の相談など誰ともしたくないと言い、だからこそ、お金の相談ができる相手と巡り会えたことは
素晴らしいことだという。
久能は自分は人がいると安心できない、眠れないというが、天達先生に素をさらけ出してなお話ができる、
そういう人は、絶対離しちゃダメと言われたと語る。
ほどなくエレペータは動き出すが、男女は実は恋人同士で、さっきの話は自分たちのことだと分かる。
自分にもそういう人が見つかるだろうかと久能は思う。

(番外編は「月刊flowers」ではなく、結婚情報誌「ゼクシイ」の付録に掲載されたもの)

***

第12巻は2023/1に発行されている。
第9巻は2021/9、第10巻は2021/12、第11巻は2022/6、第12巻は2023/1と
と発行間隔が少し長くなっているのは気になるが、おおむね半年ごとに刊行されている。
とすれば、第13巻は2023/7頃か。

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