田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

木崎湖3

2006-09-07 21:10:41 | 飯田線の旅
 星湖亭は木崎湖の湖畔の浅瀬に突き出す様な形で建っている。店の前は各種ボートが係留された桟橋になっており、店内を通り抜けて桟橋に出るような造りになっている。店内は入り口付近が薄暗いお土産物エリアで、その奥が湖が良く見えるように窓側にテーブルを4~5台配置した食堂エリア、その奥に桟橋の出入り口があって、一番奥に釣り人用の座敷スペースがある。僕らが入った時にはテーブルに何組かアニメオタクの方々が着席していた。又してもなぜそれと分かるかと言うと、釣り用の服装と装備を何一つ持っていないからだ。ここでは「まりえカレー」なるカレーライスが名物なのだと局長がのたまう。どのようなものかと言うと、単なる業務用のカレールーをかけたライスに生卵が1個落としてあるだけだと言う。これが何ゆえ「まりえ」カレーなのか局長に疑問をぶつけると、OVAに出たのでもなんでもなく、ただヒロインの名前だけとって訪れたファン相手に供されているものだそうだ。しかし、木崎湖を訪れ「まりえカレーを食べる」行為は、今やファンにとって無くてはならないものになっているのだようだ。
 さて店内に入ると今回同行した幼稚園児の息子の目がきらきらし始めた。桟橋に係留されているスワンの足こぎボートを見つけ「乗りたい!」と言うのだ。息子はなぜか船類が大好きで、水辺の観光地に行くと遊覧船などに必ず乗りたがる。わざわざこんな遠方まで足を運んだのだし、乗ることにする。4人乗りと3人乗りタイプがあるようで、僕らが借りた3人乗りタイプは、30分単位の料金設定で、30分あたり1500円である。高い!と思うが、これが標準的な観光地価格なのだろう。船は座席が1列だけ有り、足でこぐペダルが左右に1セットずつ付いている、そして真ん中に子供用の座席とハンドルがある。したがって左右に僕と局長が座り、真ん中に息子が座りハンドルを握る。すなわち僕らはエンジンで、操縦するのが幼稚園児の息子である。漕ぎ出してみると、これがなかなか抵抗があって重い。グリスが切れかかっているのがギイギイ音がする。思いの他重労働なのだった。とりあえず2~300メートル先に小さく見えるキャンプ場の桟橋を目指す。この桟橋はかなり重要なロケーションポイントなのだそうだ。たかが数100メートルの距離だが、舵を取っているのは幼稚園児である。面白がって右に左に滅茶苦茶にハンドルを切るものだから、船は右に左に旋回を繰り返すばかりで、なかなか前に進まない。湖水はまあまあきれいで透明度も有り、岸に近い浅瀬では底まで見え、なにやら水草が水面まで伸びている。湖の北半分は水深が深くなり最深部は30メートルもあるそうだが、ちょっとそんな雰囲気は無い。

木崎湖2

2006-09-06 20:31:52 | その他
 僕は車で移動したので、自分の都合の良い時間で移動できたわけだが、列車移動となると話は別で、この「1~2時間に1本しかないダイヤ」はかなり足かせになる。湖の周囲も歩くにはだいぶ距離があり、観光客用のぼったくり値段のレンタサイクルを利用するしか有効な移動手段がない。こんな不便な場所に来るアニメオタクの方々は実に行動的かつ健康的だと思う。

 国道148号を北上し、信濃木崎駅を右に見て少し先が木崎湖温泉だ、まず目に入るのは全国何処でもとにかく目立つ道路沿いのランドマークのコンビニエンスストア、青い色のローソンだ。ここも重要ロケーションポイントなのだと今回の旅の同行者である光画部宇宙局長がのたまう。横を通り抜けてすぐ先が立ち寄り温泉施設の「ゆーぷる木崎湖」ここは温泉とプールの2種類の施設が並んで建っている。温泉は早朝6時から営業しているから朝風呂に入ってリフレッシュすることも可能だ。駐車場に入ると一目でそれと(アニメオタクと)分かる車が3台並んで駐車していた。なぜ一目で分かるかと言うと、リアや後部座席のガラスにカッティングで作った美少女キャラクタがでかでかと貼り付けられて自己主張しているからだ。人の趣味をとやかく言う気はないが、単純に後方視界が悪そうだと思った。運転には十分気をつけていただきたい。周囲に店などにこの温泉の割引券が置いてあるとのことで、それを入手するために一先ず駐車場を出て湖畔に向かう。歩いてもすぐの距離に「星湖亭」(せいこてい)がある。ブラックバス釣り客相手の食堂兼貸しボート屋で、観光客用の足こぎボートも貸し出している。星湖亭脇の小公園もポイントだそうで、やはりカメラを構え写真を撮っているファンがいた。
 今回の旅に先立ち、局長所有の「おねがいティーチャーDVDBOX」を借りて一通り内容は見ているが、何ぶん上の空で流し見たので、細部のロケーションはほとんど頭に入っていない。やはりこの手のOVA追体験旅行には、画面をプリントアウトしたものを携帯アルバムにでも入れて持参して、それこそカメラの三脚の位置と高さまで突き止めるような精密さがあればなお楽しいと思った。自分で作るのは面倒なので誰ぞアルバムを作って貸して欲しい。

木崎湖

2006-09-05 22:12:49 | その他
 木崎湖に行ってきた。と言われてすぐにピンと来る人もそれなりにいるだろうが、大半の人は「何処?その湖??」と思うのではなかろうか。
 場所は長野県の大都市松本からさらに北上して大町市を通過したすぐ先あたり。鉄道では大糸線の「信濃木崎」と言う駅が最寄り駅となる。大糸線は松本から中央本線と分岐する枝線の単線ローカル線で信濃木崎の2駅手前の信濃大町~松本間はそれなりに本数もあるが、信濃大町から先はぐっと本数が減って1~2時間に1本程度となる。信濃大町~信濃木崎の2駅で約4キロだから、なんとも歯がゆい距離感だ。有名な黒部ダムが程近く、立山連峰を越えたらもう富山県と行った位置関係になる。
 湖としてはどちらかと言うと小さい方で、諏訪湖の1/5程度の広さだろうか。ちょっと見には大きな農業用の溜池にも見える。最大水深は30メートルだが、南半分はそれほど深くない。湖の南の端っこに木崎湖温泉と地図に温泉マークがある。確かに温泉が沸いていて立ち寄り温泉入浴施設もあるが、いわゆる「温泉街」と言った風情はない。
 メインと言うかほとんどの客は木崎湖でブラックバスを釣る釣り客だ。それらを相手にした旅館が何件かあるようだが、既に閉まっている店も目立ち、「寂れゆく観光地」と言った印象が強い。もう少し北部の青木湖まで行けばスキー場も多いようだが、木崎湖周辺は他に目立った観光施設もなく、唯一湖畔の北側の山の山頂にパラグライダーの発進場がある程度なので、それこそ釣りをしない人が観光目的で訪れるような場所ではない。今回は田切に行くついでに、中央高速の岡谷JCTから長野線に入り2時弱の行程を遠回りしてわざわざ行ったわけである。
 最近ここを訪れる釣り人以外の客が多いのだと言う。僕は不勉強でまったく知らなかったのだが、3年程前に「おねがいティーチャー」と言うOVAが出たのだそうだ。その舞台になっているのがこの湖の周辺で、何でも監督の出身地なのだとか。そんな訳で背景にかなりリアルに書き込まれた湖周辺の施設が出てくる。ファンはそれらを実際に見るために、こんな田舎まで足を伸ばすのだ。