腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



ここ数日、あまり時計と関係ない話が続きましたので、この辺で真面目に時計の話。

先日のビリー・ジョエルのライヴに行ったメンバーのU君所有の時計“リシュリュー”ですが「12時位置の24時間針が取れた!」と修理を頼まれました。

“リシュリュー”ってあまり馴染みのメーカーではありませんが、“レ・ジュネヴェ”や“EDOX”と同じグループのメーカーで、ランクで言うとそうですね...ラドーやロンジンと同クラスでしょうか。
こちら↓

12時位置の小さい針が24時間計で、この針だけ単独で動かせるのでGMT機能として使えます。


ん!?6時位置の針と扇型の目盛り、これ何だ?

これは“パワーリザーブ”と言ってゼンマイの巻き具合を表示しています。車のガソリン残量計のようなものです。

しばらく振ったり、リュウズを巻いたりすると↓

ほら、パワーリザーブの針が今真ん中に!

更にリュウズを巻き巻きすると...↓

はい、ゼンマイが一杯まで巻き上がりました!これで約40時間持ちます。
一目でどのくらいゼンマイが巻き上がっているか判るので、大変便利な機能。

この時計、機能面もさることながら、文字盤の外周(ベゼル)には“クル・ド・パリ”という伝統的な装飾加工が施されており、文字盤中央部分の網目模様には“ギョウシェ彫り”という技法も用いられています。

なかなか良い時計持ってやがるなぁ。 大事に使ってね。


4月のアメリカ 大リーグの開幕が待ち遠しい腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
どこか私をポスティングしてくれぃ!


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