腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



腕時計の天敵と言えば水気や湿気。これが一番の大敵。
その次はと言うと、落下などの衝撃やショック。
そして意外と疎かになりがちな磁気。

今日は時計と磁気について。

現代社会において、我々の身の回りには非常に多くの磁石が存在します。オーディオなどのスピーカーはもちろんのこと、パソコン、携帯電話、バッグ類の止め具、ドライヤー、医療器具関係などなど。

磁石に時計を近づけると、針が勢いよくグルグルグル~っと高速回転したり、逆回りしたり、止まったりと異常な動きをします。

いわゆる“磁気帯び”です。

これを直すには“磁気抜き器”というすごい最先端のハイテク機械があります。
こちら↓
 デンデン太鼓のようですが、違います。(笑)

うっかりパソコンの近くに置きっぱなしになってませんか?
こんな風に↓
 ワザとらしい置き方で申し訳ない。


国産、海外メーカー問わず、磁気に強い時計が発売されています。
耐磁時計と呼びます。上の写真の店主の時計も耐磁時計で安心。

まずはIWC
こちら↓
 インヂュニア オートマチック 79万8000円。

磁気をブロックするため特殊な高伝導素材で作られた軟鉄製インナーケースで機械をガッチリとガード。
こんな感じ↓
 8万A/mの耐磁性能を実現! すごいね。

そして今はラインナップから外れていますが、目玉が飛び出るほどプレミアが付いているROLEXのミルガウス。
これ↓
 Ref.1019

ミル=1000なので1000ガウスの高耐磁性を誇ります。秒針が稲妻のようなデザイン。医師や無線技師向けとして1950年代後半に製造されました。
また復活してほしいもんです。

次はボール・ウォッチ↓
 エンジニア ハイドロカーボン TMTⅡ 価格未定

耐磁1万2000A/mに加え、-35℃~+45℃という温度差に耐えられる構造。しかも300m防水。
冒険野郎にはもってこいの時計。


皆様の周りにも密かに磁気が迫ってきておりますよ。上記のような時計をお持ちで無い方はご注意を。


お昼の時期が迫ってきているのでボチボチお腹が空いてきた腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
...こんな落とし方では“喝!”ですなぁ。


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