腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



ここ最近、時計の内部に水滴が溜まったとかガラスの内側が曇るといった内容の修理のご依頼が多いです。

夏が近づき、半袖になると腕時計の露出度が増えます。
雨があたるでしょう。
汗もかくでしょう。
更に新型インフルエンザの影響でいつもよりジャブジャブと手洗いするでしょう。

腕時計にとって水気や湿気は大敵です。

少しでもガラス面の内側が曇ったら、大至急点検に出されたほうが良いと思います。

2日ほど前に内部に水滴が入ったとお預かりした時計↓


2~3日お預かりしてムーブメントを取り出し、完全に乾燥させます。


ご自宅でドライヤーで乾かそうと、熱風をブワーーーーッと時計に直接当てるのは時計を壊してるのと同じ。
やっちゃダメですよ。

時計で一番水に弱いところは“リュウズ”部分。

ここ↓


やはり巻き真(軸)にサビが見られます。

この時計のオーナーさん、今までお風呂に着けて入ってたそうな。
更に何も考えずに風呂場でジャブジャブと時計を洗っていたらしい。

そりゃ「曇るな」という方がムリ。
お風呂や温泉に着けて入るのはご法度です。

この時計は10気圧防水ですが、リュウズは“ねじ込み式”ではない通常のタイプ。

この部分から浸水します↓
 真ん中の穴ね。

更に更にこの時計はストップウォッチ機能の付いたクロノグラフというモデル。
リュウズの上下にプッシュボタンが付いているので、更に浸水の危険度が高い。


ねじ込み式のリュウズが付いたモデルならば、しっかりとねじ込んでロックしておけば少々の水は大丈夫。

こんなリュウズ↓


ねじ込み式リュウズでも過信してはいけません。
ちょっとでもネジが緩んでいると浸水の可能性がありますので、水周りでご使用の際はしっかりねじ込まれているかご確認下さい。


くれぐれも言っておきますが、ダイバーウォッチでもお風呂や温泉はダメよ。
川、海、池、湖、沼、プール、水道水など常温の水なら大丈夫。

本格的に泳ぐなら20気圧(200m)以上の防水性能を持ち、ロックの掛かるねじ込み式リュウズを備えた腕時計をご使用下さい。


G-ショックなど20気圧防水のデジタルウォッチもこれからのウォータースポーツシーンには欠かせませんが、水中でのボタン操作はダメですよ。


ウインドサーフィンとボディボードの経験はあるが、サーフィンはしたことがない腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
ウインドサーフィンって言っても、ボードから下りたら太もも位の水深の所でしたが、何か?

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