ni-tomoの日記

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『Notre-Dame de Paris』

2013-03-09 23:06:52 | 舞台観賞の日

シアターオーブで『ノートルダム・ド・パリ』を観賞。フランスミュージカルの英語版です。

ディズニー映画『ノートルダムの鐘』しか知らなかった私には、衝撃的な作品でした
ディズニー版は当たり前だけどハッピーエンド。容姿は醜いけど純粋な心を持つカジモドがジプシーの美しい娘エスメラルダに恋をする。カジモドを塔に閉じ込めながら育てた判事フロローもエスメラルダに恋をするが、相手にされず腹を立てエスメラルダと彼女の恋人フィーバスを追い詰めていく。で、最後はカジモドの活躍でフロローは死に、エスメラルダとフィーバスは結婚し、カジモドは町の人々に受け入れられ新しい人生を歩み始める・・・って話だった。

で、原作に近い今回のミュージカル版は出てくる男の人は、み~んなエスメラルダが大好き。自分の欲望の対象物としてしか見ていなくて、近衛隊長のフェビュスは婚約者がいるのに、エスメラルダにちょっかいを出しちゃう。でも、最後は「ジプシー女の魔法にかかっちゃったんだよぉ」なんて、身勝手な言い訳をして婚約者の元に戻ったあげく、婚約者に浮気を許してもらうためにエスメラルダに死刑を執行しちゃうとんでもない男。
フロローは司教という身でありながらエスメラルダに強い想いを持ち権力を武器に自分との結婚を迫る。醜いカジモドを拾って育ててやったから、ってことでカジモドを自分に都合よく使ってるイヤ~な男。
その他にも、エスメラルダのジプシー仲間や詩人などエスメラルダに下心を持ってる男の人が出てくるのです。

そして、カジモド。醜い容姿に純粋な心。ノートルダム大聖堂の鐘つきが彼の仕事。銅像と鐘だけが友達だったカジモドに初めて優しい言葉をかけて接してくれた人間がエスメラルダ。カジモドがエスメラルダを好きになるのは当然と言えば当然です。

とても重い話で「どうしよう・・・」と思ったけれど、ラストは涙、涙、涙。最後までフェビュスを想い続け死んでいくエスメラルダと彼女の亡骸を抱きしめるカジモドの姿は切ない。カジモドを演じたローランさんが「カジモドを見ているうちに思わず抱きしめたくなるような気持ちになってくれたら・・・」とインタビューで仰っていましたが、「誰でもいいから、カジモドを好きになってあげて」と強く願ってしまったほど、醜いカジモドが迷子の子供のように見えてウルウルでした
ダンサーのパフォーマンスと豪華な舞台セットがストーリーの迫力を何倍にも増してくれていたのだけど、特に私は「鐘」がグっときちゃいました。カジモドの友達でもあった鐘、孤独を癒しカジモドの心の内を聴き続けた鐘。天井から吊り下げられた大きな3つの鐘にパフォーマーがぶら下がりながらアクロバティックな動きをしていきます。その鐘のパフォーマンスがカジモドの心の内を表わしていて、とても哀しくなり心が揺さぶられました。

哀しい話ですが、ピュアな愛の話です。曲は良いし、キャストの演技・歌唱力は素晴らしい。リピ観賞したい作品ですね。