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偏心って何?

2016年03月19日 | 建築学校
H27構造19(2級建築士学科試験問題)


建築物の耐震設計等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 偏心率は、各階の重心と剛心との距離(偏心距離)を当該階の弾力半径で除した値であり、その値が大きいほど、その階において特定の部材に損傷が集中する危険性が高いことを示している。

2. 建築物の固有周期は、構造物としての剛性が同じであれば、質量が大きいほど短くなる。

3. 各階における層間変形角の値は、一次設計用地震力に対し、原則として、1/200以内となるようにする。

4. 鉄骨構造における保有耐力接合は、接合する部材が十分に塑性化するまで、接合部で破断が生じないようにする接合である。

5. まれに発生する地震に対して、建築物が損傷しないようにすることは、耐震設計の目標の一つである。



偏心率の意味


図に示すように、地震力は階の重心に作用すると考えて良いでしょう。このため、建築物は水平方向に変形するほか剛心周りに回転します。
重心と剛心との距離の大きい(偏心の大きい)建築物にあっては、部分的に過大な変形を強いられる部材が生じます。

それらの部材の損傷により、その階の耐力が低下し、地震エネルギーの集中をまねくこととなります。
偏心率とは、重心と剛心のへだたりのねじり抵抗に対する割合として定義され、その数値が大きい程偏心の度合が大きくなります。
言い換えると、耐力壁等の水平抵抗要素の平面的な偏りの大きいことを表しています。

重心とは建物平面形状の中心です。
剛心とは水平力に対抗する力の中心です。

※2000年(平成12年)の建築基準法改正において、木造住宅においては『偏心率は0.3以下であること』と規定されました。

図. 偏心の大きい建築物










(正解)2
建築物の固有周期は、剛性が同じであれば、質量が大きいほど長くなる。また、剛性が小さいほど長くなる。
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