田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

クライバーン・ピアノコンテスト

2009-06-14 11:10:00 | ヒゲの毒舌
盲目のピアニスト・辻井さん優勝!  神業で世界制覇なる!

1999年の五月初旬 ・・・ 田園カウンターでヒゲの声が、
「 あらー、先生!いらっしゃいませ~。この度はどうも、おめでとうございます! 」
迎えたお客様は、県立盲学校の草尾先生。
その年の全国アンサンブル部門の優勝校の指揮者です。
やがてママも参加して、アンサンブルゆえのタイミングを合わせる時の苦労話を肴に
盛り上がります。
そして、最後にある “ 約束 ” を。
「 ほんなら、ママちゃんもガマ出して練習しとかなんタイ。 ワッハッハ~ 」 と、
ヒゲがママにハッパを掛けます。

それから、10日程した日曜日。
ヒゲの言いつけ通り、ゴルフの練習に行っていたママは、緊急に呼び戻されました。
事件発生! ピーポー、ピーポー、救急車で日赤へ。
長~い時間を経て、横たわったヒゲに 『 同意書 』 が突きつけられました。
「 エッ、腰の痛み止め注射1本じゃ、終わらないの?! 」
バタバタと慌ただしく、親族に連絡を始めたママちゃん。 周りは騒然とした雰囲気に。
呆然として意識が薄れていく中、ヒゲはママちゃんを呼び寄せて、
最後の命令を伝えました。
「 草尾先生に連絡を。 どうも来週のゴルフは出来そうにありません、スミマセンと。 」

それから一年後 ・・・ 再び田園カウンターでヒゲの声 (今度は椅子に座ったまま)
    「 あらー、先生いらっしゃいませ ( か細い声)。 
       この間(?)は、スミマセンでした。 ゴルフの約束を守れなくて。 」
先生 「 な~んば、言いよるね。 生きるか死ぬかの時、ゴルフの約束なんて。
      しかも、酒の席での話だろうたい? 」
ヒゲ  「 いや、それは、俺もママもいかんとです。 水商売だけんて、酒の上での
      約束は守らんでよいなんて、我々はダメなんですよ。」
そして、ママも飲み方に参加して、再び “ 約束 ” を。 

ハートフル国体・くまもと大会の開会式典。
皇太子御夫妻を迎えての晴れの場を、草尾先生の指揮が盛り上げるのです。
パークドームへ、タクシーで向かいました。
入り口近くにタクシーを止めようとすると、県(?)の御役人様が出てきて、
「 ならん! ここに止めるのはまかりならん、あっちへ行け!! 」
杖も障害者手帳も、問答無用です。
皇族様の警護の関係なんでしょうか? 「 あっち、あっち 」 と。
どんどんタクシーは追いやられ、何里も離れた所で降ろされました。
遠くに見える目的地。 仕方なく歩き始めました。
しかし、途中に休む所もありません。
芝生に持ち合わせの新聞を敷いて横になったヒゲを見て、
「 もう、あきらめて帰ろうか? 」 とママ。 力なく 「 ウン 」 と返事するヒゲでした。

次の週、おいでになった先生に、又、お詫びを。
「 こんな、こんな、てな事で、たどり着けませんでした。 スミマセンでした。 」
先生の目から、大きな涙が冷酒グラスにポツリと。
ほろ苦い酒を三人で飲んだのでございました。

熱い心を持った先生は、不自由な身体の方達の御指導に全身でぶつかって行かれます。
音楽だけでなく、ゴルフ、野球 ・・・ 試合を観戦していると、パワーを頂けます。
今も、○○学校の校長先生として頑張っていらっしゃいます。

  後任の富田先生が、数年前に出版された本です。
                    草尾先生の思いの根が張った結果でしょう。
ブックマークに上げた 『 J.グラステイル 』、 富田先生の作曲家としてのペンネームと
思われますが、草(グラス)尾(テイル)先生への敬意を表してのネーミングではないかと?!
コメント (1)
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