田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

グランドマスターとの対局へ

2014-08-05 21:53:01 | ヒゲの盤上の世界
70年代、日本のチェス黎明期。
チェスのプレーヤー達は、ネクタイ姿で対局する事が多かった。
着るものに無頓着なヒゲでさえ、公式戦にはネクタイ着用で臨みました。
盤面の技術的なモノはともかく、自分たちは紳士の頭脳ゲームを嗜んでいるんだと云う矜恃に
満ちていました。
涼しげなステテコ姿で、縁台将棋に興じる世界とは、違うモノを味わいたかったのです。
「 俺たち、気分はボリス・スパスキーだ!? 」 なんてほざきながら。
ネクタイをきちんと締めた、優雅な世界チャンピオンを目指して!

そんな時代の日本のチェス界。
やっと実現した、グランド・マスターとの対局。
舞台設定は、親善試合などではなく、完全に日本の名誉をかけたものでした。
そんな大事なステージ。
事もあろうに、日の丸を背負ったヒゲは、お気軽なセーター姿で臨んでいる!?
しかもヒゲだけ。 
                    
                    ≪ 何度見ても、恥ずかしい極み ≫

もし、タイムマシンで人生が修正出来るなら ・・・・・・
ひとつは、99年の病気発症の原因となった、重い座卓運びを止める事。
もうひとつが、この73年のヒゲに、ネクタイを着用させる事でしょう。

        1973年12月5日   大阪ロイヤル・ホテル
       白 ー Bent Larsen    黒 ー 片山 幸一
                ≪ 40手~120分   10手~30分 ≫

 1.  d4   Nf6    2.  c4    e6    3. Nf3    d5
 4. Nc3    c6    5.  cd    ed    6. Bg5   Be7
 7. Qc2  0-0    8.  e3  N(b)d7    9. Bd3   Re8
10. 0-0  Nf8

   

赤面の中、対局が始まった。
もちろん、対局なんて予期して無いヒゲ。
事前の対策があるはずもなく。
1. d4  を見て、 普通に 1. ・・・  d5 なんて応じたら、
Qギャンビットで、たちまち木っ端微塵にされるに違いない。
そう判断したヒゲは、とっさに  1.・・・ Nf6 と変化したのです。
この慣れないチョイスが、じわじわとボディーブローみたいに応えるのでした。
                        
                   ~~~  続く  ~~~
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