田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

遺恨試合2~ニクソン時代

2016-01-13 13:27:54 | ヒゲの盤上の世界
この対局が行われた1972年は、チェスの世界でもスポック・メーキング的な年でした。

年明け早々の日本、浅間山荘立てこもり事件が起こり、連合赤軍・総括リンチ殺人事件が発覚。
「 恥ずかしながら ・・・ 」 と、横井庄一さんが帰国。
沖縄返還。 日中国交回復。 まさに激動の年。
テレビでは、“ 木枯らし紋次郎 ”
街角には、天地真理の “ ひとりじゃないの ” が流れていました。

6. Nf3  e6    7. Bd3  Nc6    8. 0-0  e5?
     

静かに進行していたゲームに、火の手が挙がった。
こんな手が、有り得るのか?!

9. d5  Nd4?!   10. fe  de   11. N×e5
     

Nd4 ・・・ なんて、けんか腰の手でしょうか。
まるでロッキーが顎をあげて、殴ってみろと言ってるようです。
白側からすると、 f ポーンが消えて、ルークのラインがオープンになり、しかもワンポーン・アップ。
まさに、願ったり叶ったりの展開ですが。

さて、その年、米大統領ニクソンの訪中が行なわれ、世界が驚きました。
あの嫌中のニクソンが!
今と違う冷戦時代。
アメリカの天敵は、ソ連と中国でしたから。
現在公開中の映画 『 完全なるチェック メイト 』 は、そんな時代に行なわれたチェス選手権。
当然ながら、大国の威信を賭けた闘い、代理戦争の様を呈していました。
それまでは、チェスといえばソ連と言うぐらい。
代々、ソ連の王者が世界チャンピオンを継ぐのは当たり前とされてきました。
そんな時に、アメリカ人の挑戦者が登場してきたから、こんなオモロい事はない。

その歴史的マッチのちょっと前に行なわれた日本選手権。
ヒゲは早くもポーン・ダウン。

11. ・・・  Nh5   12. Ng4  Qh4!?

     

白は、悠々ナイトを引き上げながら、 h6 のチェックを狙っているのに、大丈夫か?

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