田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

坊主・ぼうず・ボウズ

2016-01-18 15:36:00 | 田園ものがたり
“ ボウズ ” という言葉は、ヒゲ達の水商売業界では忌み嫌われてます。
釣り師達も、嫌がる言葉ですね。
来店のお客さん数がゼロの時、坊主といいます。
大変、縁起の悪い言葉です。
「 昨日は、どうやった? 」 「 あかん、ボウズやった! 」  みたいな使い方します。
実情は、もっとシリアスなんです。
          
           ≪ 坊主めくりから派生した意味合いもあるようで・・・ ≫ 

70年代後期、ヒゲ一人で、栄通りの店をやっていた頃です。
5時に開店して、油鍋に火を点け、突き出しを盛り始めました。
やがて1時間が過ぎても、最初の客が入りません。
直ぐに、時計は7時になります。
盛った突き出しの表面が干からびてきます。
急いで突き出しを一回転させて、ツヤを戻します。 (汗・汗・汗)
更に8時になっても、ひとりも客が来ません。 店は静まりかえってます。
今日もボウズか~  店がつぶれる。
閉店の2文字が浮かんできます。
「 お前の腕が悪いからだ。 」 「 お前がしゃべれないからだ。 」
親父から罵倒される言葉が、次々と飛んでくるようです。
そんな思いがよぎると、不思議な事が起こります。
背中に、冷たい汗が流れるのです。
暑いのに、本当に(!)汗は冷たいのです。
俗に云う、冷や汗とは違うアセなんですが。
9時頃、諦めの気持ちが支配する頃、突然玄関のチャイムが鳴ります。
「 此処はヒマなー、いつ来ても客が居らんもん、はははー! 」
口の悪い客、M木さん達です。
とりあえず、坊主(!)だけは免がれた瞬間です。
先ほど迄の冷たかった汗が、チョットだけ温かくなっています。
         
              ≪ こんな可愛いぼうずもあるんですけどね~ ≫

昨年、ヒゲ夫婦が外食した時の事です。
干しアワビ料理コースの新聞広告を見て、予約して出掛けました。
某大手ホテルの中華料理店、ヒゲ達は入り口近くに案内されました。
「 今日は、よほど忙しいんだナー。こんな席しか空いて無いぐらいだから。
  まあ、新聞広告も出ているし、客がどっと押し寄せて来るンだろう。 しょうがないか? 」
しかし、暫く経っても、他にお客さんは来ません。
「 何で、こんな雑然とした入り口付近に席を用意したんだろう? 」 との思いが湧き出ます。
しばらくは、紹興酒選びや何やらで、夫婦の会話も弾むのですが、
これじゃあ、我が家で食事してるのと、あんまり変わらない?
夫婦二人だけで、周りにしゃべる客が居ないと、なにやら喉につかえるようです。(笑)
そして、ヒゲ達が居なければ、坊主の状況は最後まで変わりませんでした。

もうひとつは、お世話になった知人を接待する為、洋食店に予約して出掛けた時。
大きな名庭園を有する、披露宴パーティーも出来る有名な店です。
奥の眺めの良いテーブルに案内されました。
ワインを選び、にこやかにコース料理が始まりました。
しかし、此処も静かです。
ヒゲ達が外食する折には、周りの客のざわめきもご馳走のひとつなのです。
しかも、スタッフがずいぶん遠い入り口辺りに居るから、飲み物の補充するのもスムーズでない。
なんや、こんな貸し切り状態の時ぐらい、サービス係りは気が利いても良さそうなのに。
こうして、此処も最後までヒゲ達以外は、ボウズの状況のままだったのでした。

二軒とも、熊本的には大きな処です。
従業員も、そこそこの数抱えているハズ。
ボウズ的な売り上げ報告に、経営者は茫然自失でしょうネ。
                               
                           ≪ 店で使っていたボウズのスピーカー ≫

    ~~~ つづく ~~~

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