田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

小人閑居

2020-06-17 17:10:45 | 田園ものがたり
昭和40年代の飲食業。
水商売を家業とする者たちには、盆と正月以外の休みはないのが当たり前。
だから、ヒゲ少年は、毎週休みがあるサラリーマンや公務員の子供が羨ましかった。
                  
やがて、ヒゲも飲食業に携わります。
当然、京都の料理旅館業は、朝食から夕食・前後の仕込みに片付けまでの
一日中労働で、休日なんて勿論ありません。
結婚式シーズンなんて、それはそれは過酷なもんです。

しばらくして、やっと月に一回の休みを頂けるようになりました。
これが、嬉しくてうれしくて ・・・  
だが、同僚に聞くと ・・・  
「 せっかくの休日も、役所の事務手続きやらの日頃できない用事もあるし、
     映画の一本でも観れば、もう終わりだよ。 」 と。

現在の晋三が標榜する働き方改革の視野から見ると、昔の働き方は、
まるでリンカーン時代の奴隷制度に見えるかもしれませんね?
それは、如何にも重労働で悲惨な暮らしと思われますが ・・・ 。

  ♬ こらっ、テツヤ! なんばしよっとか~? この馬鹿ムスコがー
       働けー 働けー テツヤー!
  ♬ 休みたいとか  遊びたいとか  そんなこと 考えるのは
        ナマケモンばい ! 
 ♬

( 熊本のおじさんも良いけど、昔の博多のおっかさんも良いこと言うね )

なるほど、毎日が長時間労働で、ゆとりないヒドい仕事に思えます。
だが、ヒゲはふと、見方を変えれば、そうでもない事に気づきました。
当時の社会情勢では、料理人の夢は一国一城の主。
                  
即ち、自分の店を持つことでした。
今みたいに、右から左に簡単に、店を持てる時代ではありません。
その為には、自力で開店資金を貯めることが必要でした。

さて金を貯めるには、2つのことを考察しないといけません。
入る金と出る金ですネ。 ここで、気付くのです!
料理旅館は住込みだから、三度のオマンマに事欠くことはなく、食費が要らない。
勿論、家賃も要らない。
料理人の給金は安いけれど、毎日仕事に追われて、使う暇がない。
つまり、出る金がほとんどない!? これは、実に大きい!!
頂いた給金はそのまま、毎月の貯蓄にまわるのですから。
やがて、開店の頭金が貯まる頃には、その貯金の履歴で銀行から信用を得ます。
              
今みたいになまじ休みがあると、じゃあ明日はデイズニーランド、次は湘南の海に。
或いは、定番のパチンコで時間つぶしや、カジノIRで一獲千金しようとか。 (笑)
小人は、次々に楽しいプランニング(?)を思い付きます。
こうして、安い給料は瞬く間に無くなりますね。
まさに 『 小人閑居して不善をなす 』 を地でいく展開。
これじゃあ、いつまで経っても金は貯まらない。
青年が下手に暇を持て余すと、ろくな事を考えない。
もう昔の人の格言ですが、現在のやたらと休日が多い日本でも、
振り返るべきワーズです。
休みが少なかった昭和。
金を使う暇がない青年は、貯まった資金で自分の城を持つのでした。

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コメント (2)
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