7月5日(水) 熊日新聞の寄稿文が素晴らしい!
ついつい、ヒゲブログに登場させてしまいたくなりました。 (笑)
【 彼はなぜ一線を超えたか 翻訳家 池田香代子 】
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「職業選択の自由」と歌う転職情報誌のコマーシャルソングが流れていた
1990年、山上哲也被告は19歳だった。
彼も「アハハン」と、歌ったかもしれない。
バブル崩壊直前の異様な熱気の中、転職やアルバイト専門など求人誌は
何種類もあった。
新卒入社、定年退職という働き方はもう古い、これからは自分のやりたいこと
を中心に、その都度仕事を選ぶのだ、と喧伝(ケンデン)された。
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95年、「あなたはだれ?」
時あたかも自分探しがブームだった。
若者が正規の就職を棚上げにして「自分を発見」することが、
もてはやされたのだ。
これにはきっと裏がある、若い人はおだてに乗らないで、
産業界がフリーターという安価で調整可能な労働力の巨大なプールを
確保するのが目的なのかもしれないのだから、とエッセーなどで警告したが、
もちろん蟷螂(トウロウ)のおのに過ぎなかった。
そして就職氷河期。
当座のアルバイトが本業化し、あるいは派遣しか働き口の見つからない若者が
100万人と、NHKのドキュメンタリー「フリーター漂流」が報じたのが
2005年初めだった。
ところが、(統一教会の)母は自己破産しており ・・・・
彼は、人一倍踏ん張ったのだ。
しかし、それが災いした。
新自由主義に由来する自己責任という考え方を過度に内面化したために、
結果が出ないのは自分のせいと、自分を追い詰めてしまったのではないか。
非正規の仕事を長く続け、彼が40歳を越したとき、事件は起きた。
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解明することは、この社会全体の責務だ。
90年当時の日本の社会情勢を、淡々と表現してあるのがにくいでしょう。
70年代には、「ディスカバー・ジャパン」なる標語で個人旅行が
もてはやされました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/5e/df8d7953ddde05cf2c7b921b7fb384f1.jpg)
そして90年代、サラリーマンや公務員などのワンパターンな安定仕事を
嘲笑う、“自分探し” の風潮が起きました。
新自由主義と言う、まるでユートピアな御題目!
その裏側には、自己責任と言う名の蟻地獄が隠れていた。
そして今や、「ディストピア・ジャパン」がぴったり合う時代に。
就職氷河期の人達は、このまま生きてもつまらないと感じ始めた。
彼らの唯一の仕事は、フリーター・派遣しかない日本。
俺達が選挙で選んだ者たちの仕業だから、仕方ないのか? 😢
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