先日テレビを見ていて、若いタレントが何かの折 「 上等舶来 」 と発したのを聞いて驚いた。
もう、この言葉はとっくに “ 死語 ” と思っていたからだ。
昭和三十年代後半、さすがにもう、進駐軍の 「 ギブ・ミー・チョコレート 」 は無くなっていた。
それでも、高級なオモチャを求めれば、どうしても 『 made in U.S.A 』 のレッテルが、
付いているのしかありませんでした。
ヒゲの母親も、ちょっと高級そうなモノを手に入れた時には、
「 コーイチ! ほら見てみ、コラ(コレは)上等舶来ばな。 」 と喜んでいたものでした。
オモチャよりまだ悲惨なのは、 “ 酒類 ” でした。
特にウイスキーやスピリッツ類は、どうしようも無い時代です。
進駐軍払い下げの品を取り合うのが精いっぱい。
それでも、日本も復興を遂げるS40年代。
少し住宅事情も良くなり、個人宅に応接間なるスペースが普及始めました。
そして、其所に “ サイドボード ” と云う横文字の、男の見栄を象徴するステイタス家具が
登場したのです。
そんな或る日、高校生だったヒゲ、某社長様の屋敷に。
恐る恐る訪ねて、通された応接間。
サイドボードに目をやると、 『 ジョニー・ウオーカ 黒 』 未開封が鎮座ましているではないか!
「 ウワッー、 スゲッー!! 」
鎮座ますと云うのは、決して誇張ではありません。
当時の日本人にとっては、最高級のあこがれだったのですから。
コレが有る無しで、サイドボードの格調は一変しました。
まさに、上等舶来の世界でした。
目の色が変わるヒゲに、 「 何か飲むかね? アルコールでも。 」 と社長が。
「 ウン、ウン! 」
そして、サイドボードのガラス戸を開けます。
ヒゲは、舌舐めずってお座りして待ちます。
なんたって、舶来ウイスキーが頂けそうなんですから、ヨダレも止むを得ません。
社長様の手が、ボードの瓶に伸びて、興奮が最高潮に達した時でした。
まるでマジックの様に、ジョニ黒の後ろから、同型の赤いボトルを掴み出したのです。
『 ジョニー・ウオーカ 赤 』 です。
名前は同じでも、中身は非なるモノとはこの事です。
しかし、それでも当時の日本人には、大変なお御馳走です。
有り難く頂きながら、勉強したのは ・・・ 。
なるほど、表に見えるジョニ黒は、いわばミセガネなんだなぁ。
ヒゲみたいな格下のモノには、こうやってランクの落ちる酒で相手する訳か?
上手く出来てるモンだ。
世間を学んだ瞬間でした。
こうしたヒゲ達世代の舶来物信仰は、漫画・美味しんぼのウイスキーの項でも紹介されてますネ。
富井課長が、スコッチウイスキーをありがたがり、後輩がその時代遅れを笑うシーン。
http://blog.with2.net/link.php?1046790
↑ 参加中です。クリックしてもらえたら嬉しいです。
もう、この言葉はとっくに “ 死語 ” と思っていたからだ。
昭和三十年代後半、さすがにもう、進駐軍の 「 ギブ・ミー・チョコレート 」 は無くなっていた。
それでも、高級なオモチャを求めれば、どうしても 『 made in U.S.A 』 のレッテルが、
付いているのしかありませんでした。
ヒゲの母親も、ちょっと高級そうなモノを手に入れた時には、
「 コーイチ! ほら見てみ、コラ(コレは)上等舶来ばな。 」 と喜んでいたものでした。
オモチャよりまだ悲惨なのは、 “ 酒類 ” でした。
特にウイスキーやスピリッツ類は、どうしようも無い時代です。
進駐軍払い下げの品を取り合うのが精いっぱい。
それでも、日本も復興を遂げるS40年代。
少し住宅事情も良くなり、個人宅に応接間なるスペースが普及始めました。
そして、其所に “ サイドボード ” と云う横文字の、男の見栄を象徴するステイタス家具が
登場したのです。
そんな或る日、高校生だったヒゲ、某社長様の屋敷に。
恐る恐る訪ねて、通された応接間。
サイドボードに目をやると、 『 ジョニー・ウオーカ 黒 』 未開封が鎮座ましているではないか!
「 ウワッー、 スゲッー!! 」
鎮座ますと云うのは、決して誇張ではありません。
当時の日本人にとっては、最高級のあこがれだったのですから。
コレが有る無しで、サイドボードの格調は一変しました。
まさに、上等舶来の世界でした。
目の色が変わるヒゲに、 「 何か飲むかね? アルコールでも。 」 と社長が。
「 ウン、ウン! 」
そして、サイドボードのガラス戸を開けます。
ヒゲは、舌舐めずってお座りして待ちます。
なんたって、舶来ウイスキーが頂けそうなんですから、ヨダレも止むを得ません。
社長様の手が、ボードの瓶に伸びて、興奮が最高潮に達した時でした。
まるでマジックの様に、ジョニ黒の後ろから、同型の赤いボトルを掴み出したのです。
『 ジョニー・ウオーカ 赤 』 です。
名前は同じでも、中身は非なるモノとはこの事です。
しかし、それでも当時の日本人には、大変なお御馳走です。
有り難く頂きながら、勉強したのは ・・・ 。
なるほど、表に見えるジョニ黒は、いわばミセガネなんだなぁ。
ヒゲみたいな格下のモノには、こうやってランクの落ちる酒で相手する訳か?
上手く出来てるモンだ。
世間を学んだ瞬間でした。
こうしたヒゲ達世代の舶来物信仰は、漫画・美味しんぼのウイスキーの項でも紹介されてますネ。
富井課長が、スコッチウイスキーをありがたがり、後輩がその時代遅れを笑うシーン。
http://blog.with2.net/link.php?1046790
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その高校生に、社長がお酒をすすめて、
ありがたくお酒をいただく。
いい時代だったですね。
の時には、酒飲み有段者でした。平成の今、19才
のスポーツ選手が、酒・タバコをちょっと飲むと
非難されてます。いやはや、素敵な世になったモノ
ですね。
産鳥居のハイボール宣伝効果と相まって空前のウイスキイブーム。がんばれオジサンと言いたい。
ただし、若者は酒は飲まず煙草は嫌いと、昭和の酒場には入れないし入らない。
東京も大阪も敷地面積が10台の坪数など狭いです。
奥様と子供の要望で一杯の一杯で書斎など考えられないし、
リビングにサイドボードなんて、とんでもはっぷん。
喜んで買ったスコッチは何処にしまうのか?
食品庫の片隅なんて悲しいですネ
スコッチ片手に、キューバ葉巻をくもらせる!
どうだ!このクラシック感、笑。
そしてスピットファイアの乗組員にスピーチする
「君たちもスコッチを飲みたまえ!
軟弱ハイボールなんかで、ヒットラーに勝てるか?✌️。」