連休最後は天候が回復し 気にかかっていた仕事もおおよその目途がついたので気が軽くなり どこへ出かけようかな? 花の仲間から「エビネが咲き始めた」とのお知らせで 気にかかっていたエビネに会いに行こうと決めた。
今から40年ほど前 この辺りの山は次々と住宅地が開発され それまで野山に咲いていた美しい花々はめっきり少なくなった。 「ササユリ」 「シュンラン」 「ショウジョウバカマ」 「シライトソウ」 などは どこにでも咲いていた花だが 今では めったに見られなくなった。 そういう私も 今ほどその行為が悪いとも思わず 裏山からいろんなものをもらって来て庭で育てたので人を批判することは出来ないが 里山からそういう花が少なくなったのは 残念なことだ。 まして 国定公園内で採取を禁止されている植物は多いが ラン科は特に盗掘されやすい。 花の仲間がやっと見つけた 絶滅寸前の 「ウチョウラン」は 3年後に盗掘されて見られなくなった(事の顛末はここに) エビネも 見つかるとなくなることが多い。 私たちが近くの林道を歩いているとき がけ下に咲く2株の赤いきれいなエビネを発見して それから毎年そのエビネに会いに行くのを楽しみにしていたのに 数年後には影も形も亡くなってしまった。誰にも見つからない様にと願っていたのもむなしく。
今日行くところは 標高500メートル足らずの国定公園内の森だ。採りつくされてしまったと思われていたエビネだが あるとき草花を探して分け入った山で エビネの大きな固まりを見つけてどんなにうれしかったことか。 もちろん 秘密の秘密の話。 その後 そのあたりで数か所、エビネが咲くのが見つかった。 花の咲く時期は特に目立つので 「誰にも見つかりませんように」 と 枯れ枝でカムフラージュしたりしながら 毎年楽しみにしている。 が 自然界は過酷で大雨での土砂崩れや 木々の間伐、伐採などで 無惨にもそのあたりが荒らされてしまうことも多い。年によって隆盛を極めていたところも 今では衰退の一途をたどっているところもあり 残念に思う。 今年も 数少なくなったエビネの自生地をそっと覗きに行った。 消滅寸前のところもあるが 今年もきれいに咲いてくれたところもあった。 いつまでも・・・と願う。
帰りがけ 先日見つけた 近くの祠でコンクリートのブロックの下から出てきた立派な「キンラン」を見に寄った。 誰にも採られませんようにと 柵を作って保護しておいた。