ガルシア=マルケス『百年の孤独』を読み終えました。
こういう小説の書き方があるのかと、感心しました。時間を圧縮した叙述、とめどなく溢れてくる語りの密度と連続性と豊饒性、とてもこういうふうには書けないなあと、舌を巻いていました。ただ、登場人物の焦点がくるくる変わり、なかなか感情移入ができないところがあり、苦労したのも事実。
『百年の孤独』は、20世紀文学の最高峰に近い小説と言われています。ジョイス、プルーストという20世紀最大の小説家の系譜とはまた違った方法論(民話的方法と言われています)で書かれています。民話的というのは、ドキュメント的とは明らかに違います。時間を圧縮しながらも、ある特定の「土地=場」を固定して動かさず、時間を速くしたり遅くしたり、また人物の内部には極力視点を注がないようにしながらも、その人物の存在の特質をキチンと描いていきます。ドキュメントは、事件を軸に時と場と人物が動いていきます。
こんな感じで今、経済・金融関連の仕事の本と、文学関連の本と半々ぐらいに読んでいます。このブログもおそらく両方を関連付けて半々ぐらいに書いていくと思います。
ファイナンシャル・プランニング(FP)というのは、人生そのものを全体で捉えるものです。金融や保険や不動産、相続など、それぞれの道にそれぞれの専門家がいますが、それらをトータルにプランニングする専門家はFP以外にあまりいません。どこか小説に似ているのです。
小説家は、経済や法律や犯罪や医学などをテーマに創作したりしますが、それぞれの道の専門家ではありません。人生を全体的に捉えて描く専門家です。そこにライフプランニングとのつながりがあるのです。
小説家とファイナンシャル・プランナー、奇妙な組合わせかと思われるかもしれませんが、このつながりをいつか人に生かせるようにするのが今の目標です。
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