前の東京オリンピックが開催される年(1964年)、「拝啓 カアチャン様」というドラマがありました。東京オリンピックに記憶がある人は、たいてい覚えていると思います。
戦争が始まり、軍隊に入営した野暮ったい菊松2等兵は、上官の家で働く女の人を嫁にもらいます。これがとても気立てが良く、きれいで可愛い。「カアチャン様」とは、こんな野暮な夫でも優しくしてくれる嫁さんのことです。世渡りが下手でぶきっちょの菊松はいつもこの嫁さんに助けられています。菊松は、貧しくても一生この嫁さんを大切にしたいと思います。しかし、菊松2等兵もとうとう「カアチャン様」を置いて戦地に送り込まれ、戦闘生活が始まります。「カアチャン様」への想いを抱いて・・・。
ドラマはわざと戦争をコメディっぽく描いていましたが、小学生の僕にはそれが笑えず、菊松のドジさ、「カアチャン様」の優しさにいつも哀切を感じ、父も涙していました。
やがて戦争は終わり、日本へ帰った菊松は、荒れた東京の土の上で、あの可愛い「カアチャン様」を探します・・・。
野暮なあなたが 好きですと
よくぞ申して 下された
みんなカアチャン なればこそ
敵は幾万 ありとても
ああ 拝啓カアチャン 俺は行く
(主題歌「拝啓カアチャン様」歌・田端義夫)
この歌をネットで何十年ぶりかに聞きました。あの頃は、まだ戦争がそこにありました。
そしてまた、東京オリンピックが決まり、戦争が話題になっています。
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