寺院は、
国家が官学の寺院として建て
僧侶が主体となって大名や豪族を捜して建てるか、
出家しない一般の民衆が信仰のために金を貯めて建てるか。
群馬県に入ると、小さいお堂の傍に、田んぼの一角に、
住家の傍に、道の端に、数基の墓石が目立つ。
供養のお寺が少ない時だった。
人は形のあるものに、安心の親近を感じてしまう。
畑を耕し日暮れ、地蔵に手を合わせ無事の今日に安息する。
生活にゆとりができると、在俗の信者に、
祠の造営の意思が芽生え、
年番名主が、建立のために金を募る。
近在(武州)に住んでいた人たちの、
集めた金は、宮大工、彫師に払う金。
身なりは粗末であっても、
1750年代から活躍した上州花輪地区の彫師にとっては、
大事な施主。
半端な腕では、日光東照宮を拝観して、
目の肥えた人たちには、さげすまされる。
棟梁に選ばれた彫師、鑿の冴えも一際違う。
次の仕事の為にも、手は抜けない。
喜多川歌麿・webから
浮世絵師も人気、鼠小僧も人気、役者の見得も人気商売。
世界は、アメリカが独立戦争を起こし、
ナポレオンが植民地戦争に精を出し、
日本では、他国との戦いは無く、上州花輪村の彫師、
鑿の切れ味、刃先を指の腹で探る。
2代目常八、63歳、人気絶頂期、年寄りにして人気うなぎ上り、
休む暇なく、彫り続けている。
邑楽郡板倉町、雷電神社近く、👇「高鳥天満宮」
👇 社殿彫刻の修理。
奉賛者御芳明。
数枚他県、横浜、桶川、栃木、加須の地名を、
記録しているものの
地元板倉町の人たちの名前の札が架けてある。
👇 2代目常八、63歳傑作の海老紅陵、龍の透かし彫り。
👇 梅。ここは菅原道真が、臣下に建てさせた神社。
👇 本殿の後ろに小さい祠の壁障子の彫刻。
👇 数を間違えたのか、行くところがなくて・・
門番になってしまった。
(神社にしてこちらのほうが洒落ている)
写真 高鳥天満宮は2018.8.1