春. 夏. 秋. 冬. 河童の散歩

八王子の与太郎河童、
つまづき、すべって転んで、たちあがり・・。
明日も、滑って、転んで・・。

山に還すふるさと、ムツさんの里 ② 秩父市吉田太田部。

2021-12-27 22:18:52 | 山に還すふるさと、ムツさんの里

人は生まれる時も、場所も選べず生まれ、
成人になって、自分の住処を選ぶ、
小林ムツさんが選んだところは、
群馬県と埼玉県の境を流れる神流川、
両県を結ぶ橋を渡って、徒歩で2時間ばかり、
城峯山の山中にへばりつくような、急斜地で
農耕作を営む場所。

宿もなく、商店もなく、先祖が残した土地で、
自給自足に近い生活。
岩盤の上の堆積した土地は、石ころが多く、
決して、農地向きではなく、
養蚕や、炭焼きなど山の木を伐採して、
生計を立て、それも、
外国からの絹糸や、樹木の伐採にも限りがあり、
出稼ぎ労務賃金で、先祖の土地を守る。

老いもある。

子供が、孫が来たら、
綺麗な山を見せたい、花を植えて、木を植えて、
紫陽花を道、いっぱいにし、子らと、客人らと、
一緒に眺めて、喜ぶ顔が見たい・・。

先祖からの農家をやめて、
木を、花を植え始めた。


👇小林さんたちが、住んでた急斜面。




















👇一回りして、小林さんの宅の裏庭を見て、
息を飲んだ。
建設途中の石垣は、
一本の木を伐採することなく、
守るように、出っ張りにしてた。

誰も住んでない土地。
傍若無人ぶり、あちこち、
写真になめ尽くすように、
収めている自分に、無性に腹が立った。
解決できない、やり場のない哀しい怒りが、
湧いて、撮った写真を捨てようと思った。
景色は、体の中にしみ込ませればいいと、思った。

気をとりなおしたのは、
また来ればいい、次も、つぎも・・。
ムツさんが遺した、
花を木を・・・忘れないように‼
















👆
 小平春代写真集
副題・秩父の里に生きる
500部限定にして絶版
装丁を
サガワメイコさんに依頼し
5年間、吉田太田部の人たちを
撮った写真集から
👇










👇2006年9月、夫、公一さんが亡くなった。


コメント (6)
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