今回、抜栓したイタリアワインは、ベルターニ社のアマローネ(Amarone della Valpolicella Classico)1997です。去年、Nさんが抜栓して頂いた時は、まだ散らかったような状態で、もう少しエイジングをしなくてはと思っていました。さすがに今回は、完璧に仕上がっていました。
印象はミネラリーな香りがするようなしないような、はっきりと特定できませんが、硯石かな?森の黒い果実、マラスキーノチェリー、バルサミコの香りにスパイスの香り。このスパイシーな香りは、アマローネにしばし感じられる漢方薬の複数の抽斗というより、ズバリ漢方薬。名前は特定できませんが、6~8文字熟語で表記してある、ツムラの漢方薬。「漢薬の臨床応用」の中から甘草や八角が処方されている薬は無いかと探してみましたが。思い描いたような薬は見当たりませんでした。大まかに漢方薬のような香りとして置きます。酸は柔らかく滑らか、まるで白玉団子が口の中で滑っているような感触があり、タンニンも滑らかで苦いとか渋いとかではなく、確かに口の中に存在する。それは、あまりにも軽妙洒脱で実際の感覚と吐いて出る言葉は多くの矛盾をはらんでいます。
先回のカサ デイ ベーピとは、同じネグラールのエリアに畑があります。醸造の方法は大きく違いますが。構造が大きく端正なベルターニ、構成が繊細で精妙なカサ デイ ベーピ。楽しさがまた一つ膨らんだようで、楽しい気分にさせられます。
写っているコルクに亀裂がはいています。これは一気に抜栓をしようとしましたが、上がってきませんでした。そこで、スクリューを少し戻し、わずかに引き抜き、再度差し込んで抜いた時に、失敗して亀裂が入りました。コルクの長さは52mmありました。これで、一気に引き抜ける長さは50mmまで、それ以上は2段階で引き抜かなければならないことが解りました。まだ慣れが必要です。