今年も性懲りなく、9月のコンテストに挑戦します。去年は2次予選敗退で、とても悔しい思いをしました。とは言っても、内容を十分に把握せずに挑み、先に進めませんでした。能天気にのこのこと出掛けて行った結果なので、慎重さが足りず、反省をしています。それにしても、年齢を考えるとちょっと恥ずかしい気もします。
一本目はイルピニア アリアニコ ルブラート(Irpinia Aglianico Rubrato)です。プルーン、バルサミコ、サクランボの香り。タブルノ、タウラージ、ヴルトゥレ、カステル デル モンテ、そしてイルピニア、違いを説明は出来るつもりなのですが、今までのアリアニコとはちょっと違うような気がします。書き残した文章から、何かヒントを見つけようと探している、とルブラートの上級のセルピコに「ノーブルなタンニン」の一言。そのような気がしないでもないが、セルピコは新樽のバリック、片やルブラートはステンレスタンクで8ヶ月間、と造りが違いすぎる。ルブラートを造り込んでいく、とその先にセルピコがある、と言いたいところが、残っているセルピコの印象はなし。ぼちぼちアリアニコと呼称の関係は再構成をしなくてはいけないと思います。
それにしても、ワインは美味しかったですよ。酸とタンニンは滑らで角張ったところはありません。ノーブルな味わい、とまでは云えないまでも、密に引き締まった優しさはあります。それと、南のバローロに喩えられるアリアニコ、ネッビオーロはうかうかしていられない、と思いました。
今回抜栓したイタリアワインはチロ ロッソ リゼルヴァ ドゥーカ サンフェリーチェ(Ciro Rosso Riserva Duca Sanfelice)2005です。思い返せば10年くらい前まで、その良さを伝えられないワインの一つでした。
若い時は荒っぽいスパイシーな香りを感じましたが、7年も経過すると甘草や陳皮などの甘いニュアンスの香りが大部分を占めています。スグリの酸っぱい感じやクランベリーの香りもあります。タンニンと酸は角を煮溶かされたような柔らかさがあります。華やかな果実味は厚みがありますが、暑苦しくはなく。後引きの良い、輪郭のくっきりした味わいになっています。香りや味わいに複雑さはなく、取って付けたようなニュアンスもない。気の置けない仲間のようなワインでした。