鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

猛虎図目貫 後藤程乗 Teijo-Goto Menuki

2014-09-05 | 鍔の歴史
猛虎図目貫 後藤程乗




猛虎図目貫 後藤程乗

 宗家九代程乗も上手な金工である。この虎の目貫は、身体の丸みを巧みに表現しているが、上からの写真を見て判るように、腰が高い割に際端の絞りが少なくなりつつあるようだ。地造りも、古作に比較して肉厚感がある。金という素材をたっぷりと使うことにより、贅沢感を強調するようになるのであろうか。因みに、程乗(七代顕乗なども)は加賀前田家に出仕した。程乗の頃まで、桃山文化の影響が残されているとも言え、もちろん古作写しを手掛ける場合もあるが、多くは次第に時代に応じた作風へと移り変わってゆく。