toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「リトル・バイ・リトル」 島本理生

2018年08月02日 | 読書日記
今年の直木賞作家はまだ読んだこと無かったので取りあえず目についたこの本から。

表紙の内容は全く関係ない様で、母子家庭で異父妹と暮す高校を卒業したばかりの女性が主人公。
イントロダクションがひたすら続いていつ物語が始まるんだろうと思っているうちに終わってしまった。

でもまあ面白く読めたから良かったことにしておく。。






講談社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「天意を汲めるか」 鶴石悠紀

2018年08月02日 | 読書日記
まず最初に5ページに渡って登場人物の一覧が載っているの驚かされる。
本文に新しい人物が登場するとその都度見るようにしていたけど、結構詳しく書いてあったりするのでその人がその後どうなるのか分かってしまう。
まさに津波の場面で初登場した人物が、「津波で死亡」なんて書かれているとこんなモブキャストまで・・と思ってしまう。
ちょっと書き過ぎじゃないのかな。

2025年に遠州灘を震源とする大地震が発生、その後大津波が太平洋岸の各地を襲うところから物語が始まる。
地震の発生メカニズムはそれらしく書かれているけれど、図が無いと上手く理解できない。
折角色々調べてリアリティが有るように書いたのだろうにちょっともったいない。
それにしても津波の描写は凄惨を極める。
「日本沈没」を連想してしまった。
迫力満点の展開だけど、細かすぎるところも。
ある程度の裏付けは有るのかもしれないけれど、どうせ創作したデータなんだから細かい地名と災害の様子をいちいちあげなくても・・・。

災害からの復興にストーリが進むと、とたんにリアリティが無くなってしまう。
作者の理想なんだろうね。
みんなが賛同して、すべてが順調に進んだように書いてあるけど、そんなに簡単に行くかどうか。。
新幹線はともかく、地下鉄をリニアにする意味も説明が無くて(最後の方に効率が良いってちょっとだけ触れたけど)最後まで理解できないまま。
ここでもやたらに細かいデータが登場する。

登場人物一覧の説明で想像ついていたけど、最後はもうオカルトの世界になって行く。
前半が良かっただけに、後半の展開にはちょっとがっかり。。

ところで「植物は、夜間には炭酸ガスを吸収し、酸素を放出する」って記述が有るけど、それって日中の光合成のことで、夜間は呼吸だけになるから逆じゃなかったっけ?








幻冬舎メディアコンサルティング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「文字の消息」 澤西裕典

2018年08月02日 | 読書日記
いかにも三崎亜記が書きそうなシュールな世界での物語。

年老いた夫婦が知り合いの女性に宛てた手紙だけで構成されている。
文字が降る(正確には知らない間に増えているらしい)世界での出来事が、その降ってきた文字を一文字ずつ貼り付けて作られた手紙に綴られてゆく。

物語が進むにつれ、相手の女性がどんな女性か徐々に明らかにされてゆくが詳細は最後まで不明のまま。
それは一方的な手紙の内容だけで構成されるという手法上仕方ないと思うし、また物語にはあまり関係の無いことであるからだと思うけれど。
と言うよりも、それ以外の諸々の内容も最後まで良くわからない。
最後はそこに住むすべての人達が諦め、絶望の境地になって行ったように書かれているけれど、結局何が起こったのか理解できない。


中編の表題作のほかに、2つの短編が収録されている。

「砂糖で満ちてゆく」も「文字の消息」と同じくシュールな物語。
体が使わない器官から徐々に砂糖に変わってゆくという病気の話。
これだけで、シュールさが想像できると思います。
最後はちょっとホラー。

「災厄の船」もシュールっぽいところも有るけれど、こちらは日本昔話系。

どの話も作者の書きたかったものが何なのか良くわからなかった。







書肆侃侃房
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする