toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「テスカトリポカ」 佐藤究

2021年03月10日 | 読書日記
「テスカトリポカ」と言うのはメキシコの先住民の神さまの名前らしい。

物語は、コシモこと土方小霜の生い立ちから始まる。
メキシコで生まれたコシモの母が日本に来てコシモを生んだところで主人公がコシモに変わり、そのコシモが両親を殺して少年院以入ったところでいったん話が終わる。

メキシコの麻薬密売組織の幹部の一人粉ことパルミロが対立する組織に追われ、ジャカルタに渡る。
そこで知り合った元心臓血管外科医のタナカこと末永充嗣が次の話の中心人物になっていく。
短いコシモの話を一度挟んで物語は進むものの、どんどん複雑化し登場人物もてんこ盛り。
何の物語なのか着地点がさっぱり見えてこない。

残り3分の1くらいになって漸く少年院を出たコシモが話の中に入ってくる。
しかし、前半コシモの物語だった割には彼も犯罪組織の殺し屋の一人という位置づけ。

末永の組織への裏切りから物語が急展開し、結果的にコシモが組織を破壊させてしまう。
ちゃんと育てられなかったコシモの心は純粋だった・・・と言うことなのかな。

この内容でこの厚さ(物語の最後で553ページ)はちょっと・・・。






角川書店
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする