toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「火山に馳す」 赤神諒

2024年01月30日 | 読書日記
浅間山の噴火による土石流で埋まってしまった村を再建する物語。

村がすべて埋まり、8割の人が亡くなり、残った村人も担当の代官も廃村の意向のところ、数人だけが再建しようと動き出す。
検分使としてやってきた根岸は村の再建に協力しようとするけれど、客観的に考えて無理な話。

丁度中ほどである出来事をきっかけに全体が再現に傾き、ここから物語が動き出すけれど、普通に考えればその前の段階で廃村だろうな。
史実に基づいた物語らしいけれど、(ドラマチックな展開にするために?)前半を酷く書きすぎているためこの流れはかなり不自然なので読んでいて違和感だらけ。

そうは言っても再建が決まってからの物語は面白い。
前半をサラッと流して序とされているプロローグの続きくらいにした方がずっと良かったと思う。

予定調和のような最後はほぼ想像通りだったけれど、楽しく読み終えることはできた。
後半の物語が良かっただけにダラダラした前半の展開が残念。





2023.12.20
KADOKAWA
コメント
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