相聞10首(抄)
・あたたかき秋の日差しが降りたりき二人で祭りを見たりしかの日。
二人で祭りを見に行った。静香の案内だった。秋の温かい日が差していたのが印象的だった。
・離婚せし相手のことを語り合い互いの生き方確かめたりき。
離婚には様々な要因がある。それを互いに話しながら、それぞれが、どう生きて来たのか確かめた。結婚、離婚。生き方の問題だ。
・人生をやり直すのは何歳になってもできる、そうだ、そうだろう。
解説は無用だろう。
・議事堂の前の反戦集会で「私を見つけて」とメール受けにき
安保法制に反対する国会前の集会だった。静香が来るという連絡はあったが、国会前は数万の群衆。「00から来た00さんはいますか」と僕は声をかけながら、国会図書館前を歩いた。
・今宵また地酒を飲みて過ごし居りやや辛口の越後の酒を。
一連の物語は終わった。静かに酒を呑むのである。
これで一連の相聞は終結した。だが相聞とは恋の歌とは限らない。身近な親族・友人・親兄弟への「愛しみ」の感情を作品化すれば、それが相聞である。
人間への「愛しみ」。これを大切にして創作活動をしていきたい。