「天童大人プロデュース:詩人の聲」第1149回
岩田亨公演 於)キャシュキャシュダール
「(語り)本日は御来場いただき有難うございました。今日で12回目の参加となります。今日は『短歌』『うた新聞』に発表した作品など、第三歌集以降の作品を読みたいと思います。」
「意思表示せん」
・理不尽なこと多くある世にありてたった一度の意思表示せん
(「うた新聞」14年9月号)
「神ならぬ者」
・異形なるものこそよけれドラクロワ・ジェリコの絵画を好めりわれは
(「短歌」14年8月号)
「冬の残照」「月下の庭」「猛禽類」「神ダイアナ」「血流」「残照暑し」「永久凍土」
「あつき夕日」「エーテル」「救急車の音」「未明の大地」「北方民の木彫」「夏の花」
「戦争」「真夏日」「弓状の虹」「北風吹かん」「満月」「ダム湖夕暮」「蘇る記憶」
以上『運河』掲載作品
「猛禽類の声」「野茨が咲く」「海静かなり」「わが耳澄ます」「遠き山々」「怒り鎮めん」
「革命」「かの夏」「水無川」「午後三時」「工事現場」「バベルの塔」「訃報記事」
「シリウス」「黒人霊歌」「戦績」「マタギの爺」「火山灰土」
以上『星座』掲載作品
「青深くあれ」
・セシウムが漂うという夜の空みあげて星座の位置たしかめる
(「短歌11年10月号)
「遠き雷鳴」
・限りあるものの命をまざまざと見せて倒れし公孫樹の古木
(「短歌」10年9月号)
「薔薇の白きは」
・今はもう想定外と言えまいとかの男らも話したるべし
(「短歌」12年7月号)
「若きめん鶏」
・禍々しき記憶の連鎖断ち切りて初夏の雨足激しくなりぬ
(13年「運河賞」次席・辞退)
一時間に約400首を一気に読んだ。このプロジェクトの2回までは喉が痛んだ。5回目までは汗だくになった。8回までは翌日体が痛んだ。10回になって力まずに声がだせるようになった。11回目に初めて抑揚が付けられた。12回目の今回、駄作が明確に自覚出来た。次回13回目は、駄作を捨て、作品を入れ替えて読もう。