岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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伊勢蝦のスープの歌:尾崎左永子の短歌

2022年10月31日 21時32分17秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・伊勢蝦(いせえび)のスープ心充たししが雪やみてしばし川の虹見ゆ
「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年の色紙展への出品作。この段階での代表作。

 美しい「叙景歌」だ。「伊勢蝦(いせえび)のスープ」の表現が心にくい、美しい情感が漂う。

 「川の名」の個別具体的な名称は「捨象」されている。佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「「言葉の削ぎ落し」

 作者は「起承転結」を考えよと言うが、初句、二句だ「起」、三句が「承」、四句が「転」、結句が「結」となっている。

 又作者は「序破急」を念頭にと言うが、上の句が「序」、下の句への転換が「破」、結句が「急」である。
 
 作者の考える作品の構成が「典型的」に表現されている作品だ。




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