霧が丘短歌会 2016年9月 9月26日 於)団地集会所
この講座は先月は中止された。首都圏を台風が直撃したからだ。出詠歌は先月のものを使って講座を行った。
初心者が多かった短歌講座がったが、歌境の進展に驚かされる。会員が上達してきたのだ。ポエジーをつかんで作品化している。言葉の細かいやりくりに工夫の余地はある。だが表現したい抒情が明確だ。
叙景歌が得意な会員。生活詠を好んで作品化する会員。望郷の念をしばしば作品化する会員。独自性が出てきた。
ここでも論点は「運河」「星座」「星座α」の歌会と共通する。
焦点が絞れているか、素材が安易ではないか、言葉が無造作ではないか、表現が甘くはないか、語感はどうか、声に出して意味が通じるか、諺、固有名詞などで固定観念から脱せられなくなっているのではないか、余剰な言葉はないか、足りない言葉はないか、読者に意味が通じるか。
だがこれらの課題を一つ一つ克服しつつある。原因は一つ。会員が熱心なのだ。質問が必ずある。それも核心に関わる質問だ。
「擬人法はどこが問題か」「軽い作品はどこが問題か」。ただ漫然と話を聞くのではなく、集中して聞いている。時間が2時間と限られているので、無駄話がない。僕の第4歌集『聲の力』(角川書店)を読んで実作の参考にもなったようだ。
川島喜代詩の歌集を読むのを勧めた。僕自身川島の作品の良さがわからなかった。だが短歌を始めて10年経って良さがしみじみと感じられた。言葉がやわらかく感動の押し付けがない。それでいて表現しているものが恐ろしく深い。
限定出版のものが多いが、読む価値は十分ある。
来月の講座は10月24日10:00から12:00まで。参加費1500円。出詠一人2首。問い合わせは、045-922-5542(岩田自宅)