海杉ブログ 木材を中心に書き残したいことを投稿します

日々、気づいた事、エクステリアウッドのテクニックを書き綴ります。やりたい時、書きたい時だけ、疲れるので笑笑

林業者の嘆き

2008年02月10日 04時54分47秒 | 森林
「俺、もう素材生産業やめようと思う」

林業者にもさまざまな形態がある。

彼は、材を伐って、製材までする。

宮崎でも有数の素材生産業者だ。

彼は林家になろうと考えていると話してくれた。

知事に近い方から「知事が宮崎の禿山をなんとかしたい」という話があった。

知事も今の現状を嘆いていると聞いて、「なかなかやるな」と内心思ったものだ。

すぐに、その対策を話した。

しかし、マスコミを通じて、流れてきた情報は、まったく別物の対策方法だった。

県の血税を禿山対策に使うというものだった。

「バカか」と思った。

宮崎の林業を餓死させる対策で何の有効な手立てでもない。

以前、「林業者に誇りを…」とこのブログにも書いた。この言葉は、大きな反響があった。

今禿山をしている山の所有者は、お金がないから再植林をしないという。お金がない理由は、国産材の価格があまりにも安いと嘆いているからだ。心ある林家は、歯を食いしばりながらも、植林を行ってきた。少しでも国産材の価格を上げる努力をしてきたのだ。もし、再植林をしない禿山の山の所有者に補助金をあげるから植林しなさいと言っても例えは、悪いが「泥棒に追い銭」のようなものだ。

知事の無知が、先走ったことをしてしまった。まあ、静観しておこう。

そしたら、政府もバカなことをするらしい。

この国の役人は、林業者を食い物にしている。

「森林間伐等実施促進特別措置法案」なるものが、閣議決定されるらしい。

間伐材に補助金をつけたら、補助金目当てで、材がでてしまう。市場の価格とは別の次元で国産材の価格ができてしまうのだ。

海杉が、このブログに経済を時々書いている。林業に携わっている人にも経済の動向が非常に密接に関わっていると感じるからだ。経済的に苦しい林業者を本当に救う方法は、補助金をばら撒く行政の手法では、ダメだ。

国産材の適正な価格を消費者に知ってもらわなければ、何の意味もない。安い材が大量に市場に出て、そこそこの値段で製品として消費者の手に渡る。「補助金だけでももらえるから何とかなるは…」では、再植林もしないだろう。悪循環がまた始まるのだ。

どうすれば良いのか。

即効性は、ないが、林業の方が、素材生産業の方が、再造林しようと思う価格設定で取引できる価格を消費者に納得してもらう努力を製材業・木材業者にしていただくことが大切だ。

市場経済は、単純明快だ。ほしいと言うものは、高い値段をつけた人が買う。本来「高いモノ」を補助金で安くしてしまうと消費者はその時は喜ぶかもしれないが、後でその負担が来てしまう。適正な価格を消費者が納得いくまで理解してもらう努力怠らない。

それがまっとうな商売だ。