熊本城は、復元を目指している。
1.戌亥櫓(いぬいやぐら)<平成15年8月完成>
2.元太鼓櫓(もとたいこやぐら)<平成15年12月完成>
3.未申櫓(ひつじさるやぐら)<平成15年8月完成>
4.南大手門(みなみおおてもん)<平成14年10月完成>
5.飯田丸五階櫓(いいだまるごかいやぐら)<平成17年2月完成>
8.本丸御殿大広間(ほんまるごてんおおひろま)<平成19年度完成>
これらの工事に携わった棟梁 松永孝一氏の話だった。
今回の講演会は、とても興味のある話だったので楽しみにしていた。
松永氏は、温和でとても丁寧に話をしてくれ、わかりやすかった。
印象は、自分の境域をしっかり築いている方だなあ。でした。
子供達に自分の仕事を紹介しているという話はとても興味があったので、講演会終了後、松永氏に直接聞いてみた。
「子供達にどんなことをしているのですか」
「鉛筆削りです」
「それは面白い」
「何も条件を出さずに鉛筆を削る道具を持ってきなさいと言うんです」
「今の子供達は、鉛筆を削ったことのがない子もいますね」
「どんな道具でも良いんです」
「危なっかしいんでは・・・」
「そう、カッターナイフの刃を親指に当てて削る子もいます」
「指が切れますよ」
「いろんな道具を持ってきます。鉛筆削り機、肥後の守、カッターナイフ、回す鉛筆削り、などです。何でも良いんです。でも、どんな道具でもはじめは、カッターナイフのようなもので、それが、回す鉛筆削り、手動式の鉛筆削り、電動鉛筆削りとなっていても、それが、大工の道具に当てはめられるんです」
「子供達に道具の歴史を理解してもらうことですね」
「どんなに変なことをやっていてもあまり怒らないんです」
「どんなことをしますか」
「芯だけを残して削ったり、鉛筆を削ることを知らないんです。でも、削れるようになりますよ。横でうまく削る人の真似するだけで・・・」
「子供達に熊本城は熊本の地元の人間だけで作ったと誇りに思ってほしいんです」
ものづくりの人が、教育の現場に入るとこんなことが見えてくるんですね。
教育って別に先生だけが汗をかくのではなく、子供達に何かを伝えたいと思う大人がしっかり伝える必要があると感じました。