2007年06月14日10時15分
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部が入った都内のビルの土地建物について、虚偽の所有権移転登記をしていた疑いがあるとして、東京地検特捜部は
13日、取得した投資顧問会社代表取締役で元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)弁護士(73)の都内の自宅と弁護士事務所を電磁的公正証書原本不実記
録などの容疑で捜索した。この土地などの代金は未払いのままで、緒方氏は同日夜、「購入するつもりだが、金がストップしているから払えないだけのことで仮
装売買ではない」と語った。
特捜部は併せて、緒方弁護士と、緒方弁護士に取得を依頼したとされる元日本弁護士連合会会長・土屋公献弁護士から任意で事情を聴いた。
容疑が持たれているのは、朝鮮総連中央本部が入る「朝鮮中央会館」(千代田区)の土地(2390平方メートル)と建物(地上10階地下2階建て)の売買取引。
総連側は、5月末、緒方氏が代表取締役の投資顧問会社「ハーベスト投資顧問」(昨年9月設立)に所有権を移す登記をした。緒方氏は4月、ハーベスト社の代表に就任し、同社の所在地を中央区から目黒区の自宅に移転していた。
緒方氏の説明によると、この取引では、中央会館の鑑定額を約1億円上回る35億円で買い取り、5年間は総連側に買い戻し権を認める形で、総連の入居継続を事実上認める契約を結んだという。
土地などの購入資金は知人を通じて国内の複数の出資者から集めるめどをつけたとしているが、12日に事態が表面化して出資者が慎重にな
り、売買成立は困難な見通しになったという。緒方氏は、整理回収機構が総連に628億円の返済を求めている訴訟の判決が予定される18日までに資金調達が
間に合わなかった場合、売買契約を解除するとしている。
緒方氏は、13日午後、都内で記者会見し、「所有権移転登記が完了してから代金を支払う取引もある。今回は登記完了と同時に(代金35億円を)渡すつもりだったが、事態が表面化して投資家が動揺し、止まっている」と説明していた。
2007年06月14日10時00分
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の入った朝鮮中央会館(東京都千代田区)の土地建物が「売却」された問題は、電磁的公正証書原本不実記録の疑
いで、買い手の「ハーベスト投資顧問」代表取締役、元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)弁護士(73)の自宅に家宅捜索が入る事態に発展した。13日
の記者会見で緒方氏は、売買を引き受けたのは「在日朝鮮人の権利擁護のためだった」と主張。契約が表面化したため資金調達が難航したとし、契約は違法では
ないと強調していた。
今回の売買は、朝銀信用組合の不良債権を引き継いだ整理回収機構が朝鮮総連に628億円の返済を求めている訴訟で6月18日の判決が迫
る中、敗訴した場合の強制執行を阻止するためだったとされる。緒方氏によると売買の話は今年4月中旬、総連側の代理人で司法修習同期生の土屋公献・元日弁
連会長から持ち込まれたという。
緒方氏は依頼を引き受け、ハーベスト投資顧問の代表取締役に就任した。ハーベストは投資顧問会社として関東財務局への登録も、日本証券投資顧問業協会への加入もなく、緒方氏自身も「この売買を成功させるためのペーパーカンパニー」と表現していた。
引き受けた理由について緒方氏は「総連は違法行為をし、日本に迷惑をかけている。だが中央本部は実質的に北朝鮮の大使館の機能を持ち、在
日朝鮮人の権利保護の機能も果たしている。大使館を分解して追い出せば在日のよりどころはなくなり、棄民になってしまう」「満州(現中国東北部)から必死
に引き揚げ、祖国を強く感じたことを思い出し、自分の琴線に触れた」などと語った。
朝鮮総連を調査対象とする公安調査庁の元長官だった人物が売買にかかわったことに批判が出ていることについては、緒方氏は「自分は正し
い判断をしたと思う」と反論。「総連の幹部(許宗萬(ホ・ジョンマン)・責任副議長)には今回初めて会った。総連に取り込まれたのではない」などと説明し
ていた。
【過去記事】保守記事.210 これ、なんてマッチポンプ?