アジア統合ネットで先行 アドレス「.asia」登場へ
2007年06月19日15時08分
インターネットの住所にあたるアドレスに、アジア地域を表す「.asia」が登場する。アジアを広く商圏とする企業などの利用が見込まれ、登録料の一部 が域内のネット技術者の育成などに使われる。アジアには欧州連合(EU)を意識した共同体構想もあり、ネットの世界が一足先に「地域統合」を果たす。
「.asia」は、ウェブサイトやメールアドレスの末尾につくトップ・レベル・ドメイン(TLD)と呼ばれるもののひとつ。日本を表す「.jp」や企業を表す「.com」などの仲間だ。
ネット関係者の交流が盛んなアジアで、国際会議などを通じて話が持ち上がり、ネットのアドレスを管理する国際団体ICANNが、「.asia」の新設を認めた。
アジア域内に本拠地がある企業や個人が、「.com」などとほぼ同額の年間数千円の登録料を支払って自分のウェブサイトやメールアドレス などに使える。今秋から公的機関による国名・都市名などの先行登録が始まり、商標・商号などの優先登録が続く。そのあと一般の登録に移り、来年には本格的 にお目見えする見通しだ。
管理はアジア・太平洋の20の国、地域が参加する非営利法人「DotAsia Organisation」が担当し、登録料収入でネット関係の国際会議の支援や技術者育成などをする。
DotAsiaの会員企業で、日本で「.jp」の管理をしている日本レジストリサービス(本社・東京)の宇井隆晴・広報宣伝室長は「香港やシンガポールなどのアジアを商圏とする企業などが使ってくれるのではないか」と期待する。
国を超えたTLDとしては、EUを表す「.eu」などもある。