

透明「それじゃ~、簡単に説明するね

タイ「おう

真島「は、はい

透明「もともと霹というのは、自然的に
出来上がってしまった魔法陣や
自然の理の陰の流れをもってしまった
ものを言うんだ

タイ「・・・

透明「例えば、自然の理の陽の部分は
モノを育て、育み、形をなす
積み重ねの要素

ものだね

逆に陰の部分は、腐らせ、老化させ
朽ちる、原子に戻すというマイナスに
働くものを言うんだ

これは、自然の流れには必要不可欠な
ローテーションなんだけど、この+-の
要素を必然的にもっているものもある

例えば、酸素

真島「えっ

透明「酸素は、人間が生きるために必ず
必要なものだよね

でも、この酸素は、この世で一番強い
ガスとも言われている

酸素は、より多く吸引することで血液循環を
早め、身体の傷や病気を治すためにも
使われている

だけど、その反面

酸素を多く取り入れることで活発に
動いて疲弊してしまい身体の中のサビを
作り出してしまう

こういった自然循環が起こるからこそ
人は次第に老いてゆき、また新しい世代が
世の中を元気にしてくれるのだけどね

おっと



そんなワケで、自然の理の中には陰の要素
だけをもったものも存在する

それが、霹といわれている存在なんだ

タイ「それが、このサファイアってことか

透明「ううん


タイ「えっ


泰蔵さん、顔真っ赤


透明「少し考えてみて

もし、サファイアというもの自体がマイナスの存在
として、この世に構成されているものなら

その全て

マイナス要因をもっていることになる

もともとサファイアはコランダムっていう鉱物
だから、同じ鉱物種であるルビーもそれに
入っちゃうでしょ

つまり、このサファイアは自然的に出来て
しまった魔法陣の方に入るんだ

本来、鉱物というのは長い年月をかけて
地球が作り出した奇跡に近いもの

自然の理の中では、積み重ねてきた産物だから
プラスに働くのが当たり前なんだよ

しかし、鉱物には目に見えない劈開(へきかい)
というものがある

これは、時間をかけて積み重ねた年輪みたいな
ものなんだ

世界一堅いといわれているダイアモンドですら
この劈開はあって、その層にそって力を加えれば
簡単に割れてしまうんだ

そんでもって、この劈開という面が無数に存在
するからこそ、宝石に入った光が乱反射をして
宝石はキラキラ輝くことが出来るんだ

タイ「そ、それくらいは、知ってるぞ


真島「私、初めてしりました

タイ「でも、それが何の関係があるんだよ

透明「うん


宝石の劈開に光が断続的に当たり
その反射で、宝石内に光の魔法陣が
構成されたとしたら

その魔法陣がもともとプラスに働く
強い力をもった宝石の特性を反転させる
逆魔法陣だったとしたら

タイ「な、なるほど


だったら、宝石をカットしなおせば

透明「これは、宝石にほどこされたカットのせいでは
ないんだ

起こるモノだから、どんなに計算されたカットを
ほどこしても、この霹には逆らえない

タイ「それじゃ~どうやって

透明「さっき、私がシ~ッて声をあげてたでしょ

あれはね

身体の微震動を劈開にぶつけて結合を
ゆるませたんだ

そこに、一定範囲の力を注ぎ込むと
劈開に目に見えないヒビが入る

まあ、劈開自体は薄~いガラスみたいなもの
だから、どこかが壊れてくれれば規則性を
重視する魔法陣は簡単に壊れてしまう

後は、本来宝石が持つプラスの力を
引き出して、方向を正してあげれば
問題ないんだ

まあ、信じられないかもしれないけど、
論より証拠

逆に幸福をもたらしてくれるようになるから
真島さん一家にも良い知らせが舞い込んで
くると思うよ

真島「ほ、本当ですか


タイ「しかし、古いモノは買わん方がいいな~

何が影響してくるかわからんもんな~


透明「う~ん、それがそうでもないんだよ~

タイ「

もう少しお付き合いくださいね

続く・・・。
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