狂乱の宝珠・１０透明「うっ
」指輪から強い障気が流れ込んでくる
私たちのような、効力を肌で感じるものには
指輪から流れ込んでくる波動は痛みにも似た
感覚として感じ取れてしまう
タイ「と、透明
だ、大丈夫か
」透明「う、うん
だ、い、じょ、う、ぶ
」タイ「全然大丈夫じゃないだろ～
」透明「タイさん、ちょっと黙ってて
集中できない
」タイ「
お、おう」私は指輪から流れる波動を読み取る努力をし、
内在する力の流れを制御するのに必死だった
透明「(・・・これなら、なんとか・・・。)」
指輪を握る腕に力が入る
透明「シ～～～～～～～～～～～～ッ
シ～～～ッ
シ～～～～～～ッ」歯を閉じ、かなり低い音の吐き出し音を
断続的、規則的、無規則的に発し続ける
手に包まれた指輪には、身体を通して
音ではなく、微量の振動がかかってゆく
１０分くらいたっただろうか
透明「(大分、浸食されちゃったな
・・・よし
そろそろいいか)」私は、呪に対して反発しうる呪を指輪に
ぶつける
透明「日、譜、御、世、逸、矛・・・・・。
万物を示す幾何なる力よ
我は示す
混沌なる流れ、法なる詩聖オン・アミリ・・・・・・・・
」より力を入れ、指輪に呪を注ぎ込む・・・。
「ピリッ
」耳には聞こえない微かな音が肌を通して
伝わってくる・・・・。
透明「はぁ～～～～～～っ
真島さん
タイさんもう大丈夫だよ」泰蔵さんが足早に近づいてくる
タイ「だ、大丈夫なのか
無茶しやがって
」透明「大丈夫
大丈夫よっこらしょうにゃ
」立ち上がろうとしたとき
世界は突然回転しはじめた
「どさっ
」真島「
」タイ「透明
おいとうめ～いぃぃぃぃ・・・・・。」
泰蔵さんの声が遠くに聞こえる・・・。
たははっ
ちょっと無理しすぎたかな少しの時間が流れた・・・・
続く・・・。
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