アゲアゲ～・１９

アゲアゲ～・１９


　円「い、いや～久しぶりに見たよ

　　　ほ、本気のブチギレ・・・

　　　ほ、ほらこいつも、もうこの世界に

　　　いられないからねね」

透明「はぁ～」



悪魔の身体は徐々に姿を薄め、小さな褐色の粒が

霧散して消えていった・・・。



　円「あっ、えっと・・・お～い

　　　と、透明く～ん」

透明「はぁ～～～～っ」

　円「そ、そんなに落ち込むことないでしょ～

　　　めんどいから、早く帰ってきなさいよ」

透明「わかっとるわい

　　　はぁ～・・・私もまだまだ未熟だなぁ～」

　円「それよりも、わ、私の霊糸無事なんでしょうねぇ～」

透明「あっごめん

　　　掴んだ霊糸ごと殴りつけちゃった」

　円「何してくれてんねん」

透明「いや～この霊糸の持ち主の仇と思っちゃってさ」

　円「えっ」

透明「お前の霊糸はコレ」

少し赤みかかった綺麗な光の糸をみせる


　円「良かった～

　　　やっぱりアイツが持ってたんだ

　　　こんなことなら私も一発殴っとけばよかった

　　　あらこの・・・他の霊糸って・・・青くない」

透明「これは、もう持ち主がいない霊糸だよ・・・」

　円「」

透明「霊糸を持たずにこの世から旅立った魂は

　　　あの世に帰れず彷徨うか、地獄に落とされることが

　　　多いんだ・・・だから、この霊糸は早く

　　　持ち主に返してあげないと・・・。」

　円「・・・無くしたんじゃなくて

　　　奪われたとしてもダメなんだ・・・。」

透明「それは、あちらには分からないからね」

　円「それでも、この霊糸さえ返せば、その人達も

　　　ちゃんと霊界に帰れるんでしょ」

透明「そうだねここで取り返せて良かったよ・・・。」

　円「まあ、あの悪魔も存在として小虫程度まで

　　　落ちぶれたでしょうから、もう二度と

　　　この世界には足を踏み入れないんじゃない」

透明「うんそうだね切り替えよう

　　　とにかく一度私の事務所に帰って

　　　お前の霊糸を紡ぎ直そう」


そう言うと、私達は霊ＡとＣさんをあの世に送り、

事務所へ戻っていった・・・。




　　　　　　　　　　　　続く・・・。

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