Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

多機能アイテム(イバラカンザシ)

2017-12-25 18:11:33 | 水中生物

昨日は26年ぶりに夏日のイブだった沖縄島ですが、今日は一転、北風ビュービューな感じになりました。

まあ、寒い方がクリスマス感は増しますけど…。

風は強めの北。晴天。

■■

簪(かんざし)とは、女性が髪を結うときに使う伝統的な装身具。

日本髪には欠かせない装飾品ですね。

しかしながらその起源である縄文時代では、それは魔を払うアイテムだったよう。古代日本では、一本の細い棒に呪力が宿ると信じられていたため、それを髪に挿して効果を得ようということのよう。またこれが櫛の原型なのだとか。

平安時代から安土桃山時代へと進むにつれて、髪飾りとして用いられるようになったそう。

さらには江戸時代に入ると、本来の用途に加えて、緊急時の防御ため、すなわち護身用具としても用いられたと伝えられているのだそうです。

魔除けから武器まで、簪って意外と多機能なアイテムだったんですね。

■■

さて…

〈カンザシゴカイ科イバラカンザシ属イバラカンザシ Spirobranchus giganteus 17年9月25日 沖縄島安和〉

学名種小名は『巨大な』の意。

本属の中では大きいのでしょうね。

その属名は『螺旋状の鰓』の意味。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

本種の特徴である二本の傘のようなものは、頭部の一部分が鰓として発達した鰓冠(さいかん)と呼ばれる器官で、その属名の通り螺旋状になっています。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

その鰓冠が簪のように見えることが和名の由来。

色彩変異に富み、二色以上の体色を持つものも多いところも簪のようですね。

また鰓冠は呼吸に使われるだけではなく、これで浮遊生物を捕らえて口に運ぶ役割もあるようで、本家の簪同様多機能といえるかもしれません。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

刺激を受けると鰓冠を素早く引っ込めるのも本種の特徴。その際には殻蓋を閉じます。その蓋にイバラのような突起がついていることも和名の由来になっています。この画像の下の方がそれ。

■■

ところで…

イバラカンザシの英名は「クリスマスツリー・ワーム」

本日はクリスマスですので、ツリーを並べてみました。

メリークリスマス…。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする