じいの徒然日記

内野聖陽さんにfall in loveしたじいのおバカな毎日を綴った日記

ハムレット 東京千秋楽

2017-05-22 23:51:06 | 観劇記
4月28日マチネ、東京公演千秋楽の観劇記です。

とうとうこの日がやってきてしまいました……東京公演の千秋楽。全てが愛おしくて別れがたくて まだまだじいのハムレットは続きますが(爆!)セリフ1つ1つ、ほんの一瞬でも聞き逃すことなく抱きしめたいと思い噛み締めるように受け止めました。そしてプレビュー初日から止め処なく湧き出てとっ散らかったパズルのピースが埋められていく感覚。頭も心もクリアーになってスッキリしたような、でも更なるピースが生まれ出てもっともっと観ていたいような、とっても充実した千秋楽となりました。

千秋楽ということもあったのかな~~いつも以上にメリハリの効いた熱演でした。若干振り切れ過ぎ と思うような部分もあって良く言えば(爆!)分かりやすくて惹きこまれやすくなるけど盛り過ぎる感もあってもう少し冷静に冷静に……と思わないでもなく 思わず劇中劇を演出するハムレットの演技指導や教訓が頭を過ってクスッと(笑)でも間合いはとっても良くなっていて心地よかったです。プレ初日から前半にかけて感じたセリフの詰め込み感が全く無くて本当に自然、感情も無理なく付いていけた感じでした 役者陣の遊び心もパワーアップ ホレイショーの遊び具合が半端ないっっっ 「殿ーー下!」と呼び止めるところは完全に狙ってる感ムンムン蒸れ蒸れだし、ハムレットが「心に留めておきたい相手」と褒めちぎられたところは照れながら思いっきり後ろにぶっ倒れていて頭を打たないか本気で心配してしまう程 終盤の決闘シーンではガートルードがハムレットの汗を拭く時にめっちゃゴシゴシしつこく拭きまくっていて客席から笑いが!ま、内野さんは1幕で登場して5分も経たないうちに汗だくになるお人なので(苦笑)思わずシェイクスピアが400年前に当て書きしたのかと あと毒入りのお酒を飲む前の「この子は太っているから」というセリフもやたらと勿体ぶった言い方でこれまた笑いを誘っていました。

普通に 大勢で演じるハムレットを観たことがないので←気になるので機会があれば観てみたい スタンダードな演出というかハムレットのデフォルトというのか、そういうのはよく分からないのですが、千秋楽まで来てようやく14人で演じるハムレット、そして複数の役をやる意味や意図を考える余裕ができたような……壌さんの二役、理論的な堅物ポローニアスと阿呆の墓掘りという対比が面白いなぁと思いました。ポローニアスのハムレットの狂気を語る「三段活用」は毎回クセになる味わいで超絶大好きなんだけど(爆!)ポローニアスと墓掘り、一見すると全く別物に見えるけど根っこは同じで「教訓」の内容も共通しているなぁとつくづく 國村さん演じるクローディアスと先王。クローディアスが「息子と思っている」と告げたレアティーズに復讐をけしかけるとのと、先王が実の息子ハムレットに復讐をけしかける絶妙さ。結局のところ復讐は自分自身に跳ね返ってきて、クローディアス、ハムレット、レアティーズは死んでしまう……ん?先王は??ここら辺も彼の人間性や家族親族たちとの関係性を含めて想像し始めると尽きない面白さがあると思うんですけどね。

一人二役とは異なるけど“同じ”なのに噛み合わなくて“違う”になってしまう切なさ。「己に対して誠実に」のレアティーズ、「自分を忘れるな」のハムレット……それぞれの父に言われた言葉が何とも皮肉というかなんというか 少し途中で復讐心からの悪を寄せつけてしまったけれど真っ直ぐだったレアティーズ、自分の見つめる真実や本質を見失わない為に苦しみ続けたハムレット。二人の立ち位置は正反対のように見えるけど実は同じ性質で良い関係を築けたかもしれない。運命の歯車さえ狂わなければ……そう思うと無性に悲しかったなぁ あと、、、「役者は時代を映す鏡」というセリフが出てくるんだけど、我々が演劇を観る時に自分の内面を解放するようにハムレットもまた実世界では奥に押し込んでいる、あるいは見せないようにしている感情を演劇に投影することで救いになっていたというか昇華していたようなところがあったのではないかと……そんなハムレットの姿を誤解してしまうオフィーリアと理解して傍らで一緒に遊ぶホレイショー、その差異がこれまた切なくて胸が痛みました。

しかし観ていて一番苦しかったのはやっぱりハムレットでした。天国からも地獄からも復讐を急き立てられている……天と地の間にある哲学とでもいうのかな~~それを見過ごせず頭を抱えて泣き崩れるハムレットの姿がとにかく苦しかった 多かれ少なかれどんな時代の人間も(今も!)同じ苦悩があるのではないか、普通ならスルーして/努めてスルーしていくものを敢えて抱えて生きていかなければならない業を背負った人があまりにも残酷すぎて。。。偽りの言葉を吐きながらもそれは全て本心の裏返しだったり……まぁ振り回されて境界を分からなくさせる面倒くささはあるんだけど(苦笑)オフィーリアやガートルードに対するその種の言葉はオンナとしては特に響くというかいろんな意味で厄介だなぁと。。。

前回の観劇で??だったフォーティンブラスの「運命を抱きしめる」の受け取り方。今回の観劇ではなぜか(笑)ものすごーーーくストンと心に落ちたんですわ。fortuneは幸運ではなく運命の方が相応しい気がする。死ぬ直前に王冠を抱こうとしたハムレットの姿には確かに野心を感じましたが、それは黒々したものではなく純粋に…かどうかは観る者に委ねられそうだけど、自分の思いを実現したいという意欲から出てきた野心だったのかなぁと思ったり。。。そして「熱情と理性の両方を持っている」と自分が認め、彼なら善悪全てを包み隠さず伝えられると信じられたからこそ託せたホレイショーという存在。運命=the good or bad things that happen in lifeということでピッタリくる。ハムレットの死後にホレイショーがフォーティンブラスに脚色することなく語る場面でハムレットが信じたホレイショーの姿があったことがもうぅ~ ハムレットが救われたようで堪らなかったです。フォーティンブラスが「弔砲をーー!!」と言った時の(その声がホント素敵すぎて)ホレイショーのアノ何とも言えない切ない表情にもうぅ~~ そして最後にホレイショーを残して物語の登場人物たちが黄泉の国に去っていく場面、、、ガートルードとオフィーリア、クローディアスとハムレットという組み合わせが純潔と穢れ、善と悪、でも完全に対比や分離派出来なくて表裏一体のものだと思うけど、今回のハムレットの描かんとしたものが込められているようで面白いなぁと思いました。でもね~~ハムレットがホレイショーの頭に手を置く姿は何だかハムレットがホレイショーに感謝をしているように見えました。いや~~とにかく終盤は滂沱の涙でした

カテコは3回だったかな~~内野さんノリノリ♪道山さんの尺八を止めるところではドスコイなポーズもあったりして皆さん東京公演をやり切った安堵感や達成感に溢れて盛り上がりました。最後は内野さんが一人で舞台上に出てきて客席の拍手に応えていらっしゃったのですが、後ろからジョンがこっそりヒタヒタと忍び寄り……ポケットからメモ帳みたいな閻魔帳を取り出して何やらメモメモ 気配を感じて後ろを振り返って気づいた内野さん、頭を抱えてヒョエーー という感じで屈みこんじゃって(笑)地方公演に向けたダメ出しがありそうな予感、二人の間の信頼関係が垣間見られて嬉しかったです。そして内野バイバイに投げキッス2回 すっごく充実して楽しそうな姿に内野愛が
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