じいの徒然日記

内野聖陽さんにfall in loveしたじいのおバカな毎日を綴った日記

内野さんメモ

10/14~26 芭蕉通夜舟 東京公演
 ≪地方公演≫
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? はれ予報11月号
10/28 Numero TOKYO12月号(扶桑社)
11/1 CINEMA SQUARE vol.150(日之出出版)
   朝日新聞夕刊
   朝日生命生活情報誌「SANSAN」
11/7 映画「アングリースクワッド」完成披露上映会
11/22 映画「アングリースクワッド」公開

【2025年】
2月 WOWOW ドラマW「ゴールドサンセット」放送

イザボー

2024-01-30 20:18:14 | 観劇記


~あらすじ~

百年戦争の時代。バイエルン大公の娘として生まれた少女は、やがて隣国フランスの王妃イザボー・ド・バヴィエール(望海風斗)となる。夫であるシャルル6世(上原理生)はイザボーをこよなく愛したが、ある出来事を境に狂気に陥ってしまう。破綻した王政につけ入り、権力を掌握しようとするのはシャルル6世の叔父ブルゴーニュ公フィリップ(石井一孝)とその息子ジャン(中河内雅貴)。彼らと対立するシャルル6世の弟オルレアン公ルイ(上川一哉)は、イザボーと不貞の関係となり、彼女が権力を獲得するために助力していく。混沌の時代の中で、イザボーは愛と衝動のままに生き抜こうとする。のちにフランス・ヴァロア朝の第5代国王となるシャルル7世(甲斐翔真)は、義母ヨランド・ダラゴン(那須 凜)と共に、実の母であるイザボーの生き様を辿っていくこととなる。フランスの歴史上でもっとも嫌われた最悪の王妃の生きた道を──。

(公式サイトより)


今年の観劇始めはブリリアホールでミュージカル『イザボー』 1月20日ソワレと27日マチネを2回観劇しました。MY初日、いつもの如く~なので期待せずチケットを発券してみたら予想外にメチャクチャ前の方 でも悪名高い劇場だしサイドで前過ぎるお席はかえって観にくいし~と思っていたところ……まさかのまさか!最前列だったという 横からの眺めなので観にくい場面や見えない場面はありましたがかぶりつきで堪能~♪2回目MY楽は少し下がったところで全体を味わえたのでよかったです

じゃぱに~ずミュー、、、正直あまり良いイメージがなくて(何かね、いろいろダサいじゃん)しかも演出家は2.5次元のにおいプンプンだし……ゲネ映像を観た時も歌詞が説明的に感じて嫌な予感がしていたのですが、全然悪くなくて寧ろ好きな世界観 カタルシスを感じさせながらもそこには留まらない余白を加えていて観る度にいろいろな発見があって面白かったです。明らかにあてがきであろう演出もあったりしてね ただ全体的にもう少し交通整理をした方が良いのかな?と思うところがチラホラ。物語の流れや構成で蛇足的な間延び感があってモッタリしてしまう部分も 観劇しながら思い出したのが新感線の舞台。メチャクチャかっこよくて緩急の勢いがあって派手でおちゃらけて、でも深くて……やっぱ凄いんだなぁ~と改めて

物語は中世ヨーロッパの話。100年戦争とかヴァロア朝とか英仏王家の争いとか世界史でやったけどそんなに興味はなくて(苦笑)フランス革命好きのじいの中ではアンリ4世ナントの勅令辺りから本気のフランス史という感じなので最初に観劇した時はストーリーと登場人物の関係を整理することに必死 その後いろいろ教科書やら資料やらを引っ張り出して復習したので2回目に観た時は余裕を持って楽しめたかな~ 登場人物全員、完全な善人がいなければ悪人もいない。不遇な生い立ちを送ったシャルル7世でさえ“正義の味方”に見えるようで決して聖人君子ではないし結構メンドクサイ奴で…。少しでも油断すれば足元をすくわれる厳しい時代なので無理ないのですが、ヨランド妃のセリフにある「時代に飲み込まれるか、時代に乗るか」の差で運命が変わる。この演目ではジェンダーや戦争・暴力など当時の価値観を大事にしながらも現代の課題を匂わせるところがあったりして複層的に問いかけがあって深く考えさせれる内容でした。少女時代のイザボー、大人イザボーが幻覚?として見る少女イザボー、そしてジャンヌ・ダルク……3役を同じ役者に演じさせているところが意味深 あることないこと膨らませてくれる作りになっているところも堪らなかったです。ジャンヌ・ダルク自身の評価もまた肯定されるのみではないので。

悪名高きブリリアでしたが、それを吹き飛ばすキャスト陣の素晴らしさ。音響の悪さがかえって歌唱力の有無を露わにしてしまう件…ゴニョゴニョ。一筋縄ではいかないキャラクターを演じるカズさんの素晴らしい安定感!ムーラン・ルージュでも魅力的だった上川くんと中河内くん、今回の役も良い味を出していてとても良かったです。じい的にはかなりお久しぶりかも 相変わらずの歌声~~理生くん演じるシャルル6世陛下!望海さんとの迫力あるデュエット、ただただ圧倒されました。当時の政情から清濁いろいろな思いはあったのかもしれないけど、劇中の中ではイザボーを大切に思っていたんだろうなぁと微笑ましかったり切なかったり悲しかったり……。那須凜さんのヨランド妃も素晴らしかったです。現代を生きる同性の身としては嫌いなタイプの女性ですが(苦笑)イザボーとの反発と融合を感じる存在感がありました。

そして望海さんが演じたイザボー・ド・バヴィエール どこかで~会った?何だか妙に懐かしいこの感じ??(笑) 黒々しい悪~りぃ顔、悔しがり~の素直になれない哀しみ顔、そっちを選んだら確実不幸になるのにどーして選んじゃうかなぁ?の人生を選んでしまうキャラクター、、、安全安心安定、このわかりみすぎって こういうのが観たかった、歌声の圧や殴り合い、そういう誉め言葉を見かけることがありますが、じい的には逆にそういうのは全く求めていないし違うと思っていて…… 退団直後にこれだったらそこでファンを止めていたと思うし、様々な演目を経た上での今これ!だったので更に深みを帯びた迫力が沁みたんですよね~~1幕終盤のナンバーはマジ圧倒されて胸いっぱい。大抵の人が出しやすい中低音域ってともすれば単調になったり逆に上ずったりするんだけど、望海さんの歌声は共鳴音を含めて一直線に伝わってきて感情が乗った音符が胸に突き刺さるから本当にヤバイ ブリリアの音響を突き抜ける素晴らしい歌声でした でも一番圧巻だったのは2幕終盤に敵方となっていた息子のシャルル7世と再会した場面。その立ち姿と存在感が凄くて……全ての権力を失ってかつての強さもダークな輝きも見た目は全くないのにイザボーの変わらぬ信念と絶対に譲らない強さを感じました。私は悪くない、後悔はしていない、でもそれは強がっているところでもあって、、、そういうのが滲み出ていて歌にもそれが表れていて……そういう望海さんを観られたのが無性に嬉しかったです。これからもずっと見ていきたい……強く強く思いました

イザボーにとってその瞬間瞬間が真実で、人間という生き物の素を見たような……。彼女が1幕最後に「今度は私が復讐する番よ」と言っていたけど、女性を縛り付ける政略結婚や子供、そして国……大切な存在でありながらも負の側面からその全てを捨て去る。フランスをイギリスに売ったトロワ条約、、、狂ったシャルル6世の代わりに守るはずだった国の王位を他国に売り渡したのは彼女の壮大な復讐になったのかなぁ~と思ってみたり。。。観終わった後にいろいろな意味で引きずる演目でした


コメント
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