今日は日生劇場でミュージカル『ベートーヴェン』を観劇。2023年の観劇納めです。クンツェ×リーヴァイ作品となるとどこかで“観聴き”したようなお馴染みの……不協和音的な前奏の入り、アンサンブルメインの場面、トートダンサー的な存在、いつものアレね~なところはありましたが、それよりも最初から最後までこれでもかという程ベートーヴェンの楽曲づくし 1幕が終わった時点で既にお腹いっぱい状態でしたが 愛してやまないベートーヴェンの楽曲の数々に包まれるのは幸せすぎて……これがモーツァルトだったら発狂してたかも(爆!)←超絶個人的な音楽的恨みで嫌いなの~ M!では素敵なオリジナルナンバーがあることに感謝だわ
ムーラン・ルージュ的な音楽構成 クラシック版マッシュ・アップ・ミュージカルみたいな……ベートーヴェンの曲で繋いでいくベートーヴェンの物語。上演が発表された時は苦悩を突き抜け歓喜に至る話なのかと勝手に思っていたのですが、初日後に漏れ聞こえてくる情報は恋愛物語メインという しかも初演が韓国となると、どうにもクドいベタな話になるのではないかという懸念があって 実際に観劇したらそこまで恋愛色が強いとは思わなかったなぁ~~劇中で描かれているトニとの恋愛はベートーヴェンが生み出す楽曲の原動力であり要素であり……決して単なる恋愛物語ではなくベートーヴェン自身と彼の楽曲を見せていると感じたんですよね。2幕終盤、ベートーヴェンとトニが別れる場面でまさかの号泣 必要とし合う2人が引き裂かれるのが悲しいというよりは楽曲そのものに泣かされたんですよね。ここのナンバーは悲愴ソナタ2楽章が基になっているんだけど、目の前で繰り広げられる演技や耳から入ってくる歌以上に、1幕から嫌というほど聞かされてきた(注!喜んでます・笑)ベートーヴェンの楽曲たちが生まれた所以や彼自身の人生がヒシヒシと感じられて切なくて切なくて……楽曲の力は本当に凄い!
芳雄くんのベートーヴェンは意外にも似合っていてビックリ。発表された時はベートーヴェンって柄ではないよね~と思っていて、映像で韓国版のを見た時もやっぱり何か違う気がすると思っていたのですが、実際に演じているのを観たら反則的なカッコよさが垣間見られたり、ダメンズな馬鹿さ加減が可愛かったり、時として激しいところもベートーヴェンっぽくて……。楽曲はクラシック音楽がベースなのでやっぱりちゃんと音楽の基礎を学んでいないと厳しいと思うんですよね。ソコソコ歌える程度ではこの役は務まらないので芳雄くんは適任なのではないかと。。。(“クラシカル”な部分が逆に仇となって枠からはみ出せないトコも役によってはあるんですけどね)花總さんのトニは可憐で素敵だったし、海宝くんのカスパールは眩しいほど真っ直ぐで温かい。サカケンさんの“デカさ”は相変わらずで何より!キンンスキー公の吉野さん、こういう役がお似合いでホント憎ったらしかった~←褒めてます
最後に、、、白状します 随所で2年前のf f fフォルティッシッシモが随所で頭を過りました(苦笑)見えるはずのない幻影が~~ 交響曲第9番第4楽章、悲愴ソナタ第3楽章、交響曲第5番第4楽章、、、当時どんだけ泣いたことか。そして悲愴ソナタ第2楽章は今回のベートーヴェンとは全く関係ない「希望」の歌詞が浮かんでくる始末 テンペスト第3楽章ではおのれナポレオンを思い出し……。大好きな月光ソナタ第3楽章の旋律で金が全てだ~♪とフランツに歌われた時は失敬な!と突っ込んでしまったり(笑)今日は観劇脳ではなく音楽脳が働いてしまったところがあって、観劇後は無性に楽器を弾きたくなりました。とりま明日ピアノでソナタを通しで弾いてみるか