じいの徒然日記

内野聖陽さんにfall in loveしたじいのおバカな毎日を綴った日記

笑の大学 初日

2023-02-15 23:30:40 | 観劇記
2月8日初日の観劇記です。ネタバレあり

~あらすじ~

時は戦時色濃厚な昭和15年。
登場人物は、警視庁検閲係・向坂睦男(さきさかむつお)と劇団「笑の大学」座付作家・椿一(つばきはじめ)。
非常時に喜劇など断じて許さないとする向坂は、上演中止に追い込もうと執拗なまでの注文を繰り返す。しかしなんとか上演許可をもらいたい椿は、向坂が要求する無理難題を逆手に取りながら、あくまで真正面からの書き直しに挑戦する。
警視庁の取調室を舞台に、相対する男二人のドラマが始まる。

(公式サイトより)

休憩なしの1時間50分。舞台奥にドアがあり机を挟んで椅子が2脚。上手側に棚があって検閲した台本を入れる箱が乗せられていたりして端っこに椅子がもう1脚という取調室のセット。物語は1日目から7日目まで1日ごとのやり取りで進んでいきます。内野さん演じる向坂と瀬戸くん演じる椿、、、最初は噛み合わないぎこちない硬い感じが4、5日目辺りでは明後日の方向ながら徐々に打ち解けて???6日目にはそれぞれが本気で喜劇仕立てにしたロミオとジュリエット、ではなく貫一とお宮に置き換えたロミジュリ物語を作っていって……2人が実際に演じている姿は最高潮に面白い めちゃくちゃ笑ったところからの椿の告白で一気に冷たい緊張感が走り、そして7日目、突然の別れ 最後は悲しさや悔しさだけではない、様々な感情が押し寄せて泣けました

初演と再演、映画、初日の朝に明らかになった公開フォトコール、、、敢えて一切何も入れずに真っ新な状態での観劇。作品ファンも多かったのではないかな~~冒頭から客席のアチコチから理解ある笑いが聞こえてきました。じい、実は三谷作品が苦手なんです ギュッと心を掴まれたところで軽く交わされてしまったり、深く入り込んでいた次の瞬間に笑いを取られたり……笑っていいのか泣いていいのか落ち着かないのがちょっと……でも今回はやられた!という感じ 戦争を扱った作品で個人的に馴染み深いのは井上作品なのですが、こういう見せ方、問いかけ方があるのか~と目から鱗 さすが三谷作品の傑作と言われるだけあるなぁと……素晴らしいものに出会った嬉しさをひしひしと噛みしめています

初日だから?役柄的に敢えてそうした??内野さん演じる向坂には硬さとぎこちなさを感じました。でもそういう“堅物”な感じが可笑しくて可笑しくて……三谷さんはわざと内野さんのそういうところを狙ったのではないかと思ってみたりしてニマニマしながら観てしまいました もうね~~一生懸命なところがメチャクチャ可愛かったです そして大好物 言語化できないものを語る背中、多くを語る沈黙、、、セリフのない場面の一挙手一投足に目が離せなくて作品と役の空気感に満たされ……喜劇について身振り手振りで語る時の大きな内野な手 ほっっっんと大好きなんですけどこれでもかというほど堪能できて大満足でした。

最終日7日目、、、赤紙が来て入営が決まる椿に向坂がかけた言葉……死んでいいのはお国の為ではなくお肉の為だけだ。生きて帰ってこい……この時代絶対に言ってはいけない言葉を口にする向坂。生きて帰っていつの日かこの作品を上演出来たら……椿は穏やかに強く否定したけど向坂の奥底に隠れた感情が溢れていて切なかったな~~そういう可能性を考えていいのだろうかと考えてみたのですが、椿のモデルになった菊谷栄は戦死しているので可能性はないんだろうなぁと 終盤の2人のやり取りを聞きながら頭を過り続けていたのが長野にある無言館。まだまだ描きたいことがたくさんあった若い命が戦争によって絶たれていく。その理不尽さ、やりきれなさを思い出して尚更ね……。ラストで椿が残した笑いのない喜劇の台本を読みながら時にクスクス笑い、時に大爆笑し、何とも言えない表情で遠くを見つめる内野向坂なのですが、その横顔がもうぅ~~美しすぎて!!!生きて帰ってほしいという思いながらも無理なことは現実を見ていて知っていて……様々な気持ちが溢れていて目が離せませんでした

公演回数を重ねてどんなふうに進化/深化していくか楽しみ……というかとんでもないことになっていそうな予感←もちろん良い意味で 次回の観劇、結末までの流れとオチを知っているので新鮮な状態で観るのとはまた違った感じになるんだろうなぁ~と少し怖さを覚えているのですが、この1週間の反芻でアレコレ疑問や確かめたいことが出てきているので楽しみです

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