日常

愛でる

2011-06-06 01:41:34 | 雑多
1.
情熱大陸に、作家の伊集院静さんが出ていた。
かなりかっこいいと思った。
本を読んだことがないので今度読んでみよう。

白血病で亡くなった夏目雅子さんの旦那さんだったのですね。

『小説は人間を変えることなんてできない。そんなことは絶対にできない。
 でも、かなしみに寄り添ったりすることはできる。それでいい。』

というような発言はすごいと思った。重いと思った。

小説の力を、強さも弱さも知っている人だからこそ言える言葉で。
すべてに重みと強さと優しさがあった。


ちなみに、次回の情熱大陸「日本最高齢の助産師(87歳で現役!) 坂本フジヱさん」の回も面白そうだ。



2.
偶然CD屋で見かけて、Zaz(ザーズ)『モンマルトルからのラブレター』というのを頻繁に聞いている。フランスでのアルバム名は、歌手名のまま『Zaz』らしい。

シャンソンとブルースとジャズが特殊な配合をしているような感じ。

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ZAZ ザーズ :
1980年、フランス中部の都市トゥールの生まれ。いくつかのバンドを経てパリに移る。
パリのキャバレーで一週間毎日5時間以上マイク無しで歌う日々を送り、同時期に、モンマルトルの路上でも歌い始める。
エディット・ピアフも音楽キャリアの初期には路上で歌っていたこと、そしてピアフとZAZともにハスキーヴォイスの持ち主ということもあり、パリでは「エディット・ピアフの再来」と言われている。
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このアルバムにも入っているEdith Piafのカバー「Dans ma rue」(私の街で)とか、Youtubeでも見れる。歌声が直達してくるように体内を突き抜け、その反響音が体内に多重反射しながら響くのです。

やはり、自分が好きな歌手(この場合はピアフ)の魂を受け継いでいるような歌手は、惹きつけられるように聞いてしまいます。
以前、アラニス・モリセットが出てきたときも、ジャニス・ジョプリンの再来か、と言われたことがきっかけで聞きだして、今でも聞いてます。

それはともかく、シャンソンとか、エディット・ピアフとか(そういえば美輪さんもピアフを尊敬している。ふと思い出した。このブログにも2年前くらいにピアフのことを書いてました。→『エディット・ピアフ』(2008-10-15))、ソウルフルな唄が好きな人は、きっとこのZazは好きなはず。
しわがれた声が脳髄にまで響きます。
この「je veux」(私の欲しいもの)とか、しびれるわー。


3.
尊敬する心理学者の河合隼雄先生。
河合先生が監修されていたCDがあったとは知らなかった。

河合隼雄監修 心の音楽処方箋 夢
河合隼雄監修 心の音楽処方箋 愛
河合隼雄監修 心の音楽処方箋 母

○河合隼雄監修 心の音楽処方箋 夢
1. ひとひらの夢 1
 作曲: 上田益
2. グリーンスリーブスによる幻想曲
 作曲: ヴォーン=ウィリアムズ
3. 夢
 作曲: ドビュッシー
4. トロイメライ ~子供の情景より~
 作曲: シューマン
5. アダージョ
 作曲: アルビノーニ
6. 夢のあとに
 作曲: フォーレ
7. ヴォカリーズ
 作曲: ラフマニノ
8. ノクターン嬰ハ短調(遺作)
 作曲: ショパン
9. 幻想交響曲より「舞踏会」
 作曲: ベルリオーズ
10. ピアノソナタ第14番「月光」より第1楽章
 作曲: ベートーベン
11. タイスの瞑想曲
 作曲: マスネ
12. ひとひらの夢 2
 作曲: 上田益


○河合隼雄監修 心の音楽処方箋 愛
1.愛する 1
 作曲: 上田益
2.ピアノ協奏曲第21番より第2楽章
 作曲: モーツァルト
3.愛の挨拶
 作曲: エルガー
4.歌に生き、恋に生き ~歌劇「トスカ」より~
 作曲: プッチーニ
5.愛の夢 第3番
 作曲: リスト
6.主よ人の望みの喜びよ
 作曲: バッハ
7.愛の悲しみ
 作曲: クライスラー
8.女心の歌 ~歌劇「リゴレット」より~
 作曲: ベルディ
9.家路 交響曲第9番「新世界」より第2楽章
 作曲: ドボルザーク
10.ジュ・トゥ・ヴ
 作曲: サティ
11.間奏曲 ~歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より~
 作曲: マスカーニ
12.愛する 2
 作曲: 上田益

○河合隼雄監修 心の音楽処方箋 母
1.母を想う気持ち 1
 作曲: 上田益
2.我が母の教え給いし歌
 作曲: ドヴォルザーク
3.子守唄 ~組曲「ドリー」Op.56より~
 作曲: フォーレ
4.オーゼの死 ~ペールギュント組曲第1番より~
 作曲: グリーグ
5.母の便りを聞かせてよ ~歌劇「カルメン」より~
 作曲: ビゼー
6.アヴェ・マリア
 作曲: バッハ, グノー
7.子守唄
 作曲: ブラームス
8.モルダウ ~交響詩「我が祖国」より~
 作曲: スメタナ
9.母もなしに ~歌劇「修道女アンジェリカ」より~
 作曲: プッチーニ
10.アヴェ・マリア
 作曲: シューベルト
11.ワルツ「美しき青きドナウ」
 作曲: J.シュトラウス
12.母を想う気持ち 2
 作曲: 上田益


これも全部衝動買い。全て、とてもいい。
河合先生自ら奏でているフルートもすごくいい音だと思った。


河合先生も、作家の伊集院静さんと同じような、厳しさと暖かさを常に感じさせてくれる人。
尊敬すべき人は多いものです。
そして、この世には愛すべきものも多い。
愛すべきひとやものの中には、驚きと発見に満ちてます。

2 コメント

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いいね! (さ。)
2011-06-06 02:42:02
この絵、「いいね!」ボタンを押したくなった☆☆☆ 好きです、これ。いなばさんの絵は、全体的にとても素晴らしいと思うけれど、個人的に、たまに、ものすごくツボなものがある。ありのままが、新鮮に飛び込んでくるのがあるのです。ほんとうの芸術って、いつも問答無用で、飛び込んできて「!」ってなるものなんだろうな。自他の垣根が取り払われるというか。


いなば「吾」評を参考にさせていただいて、今週は、美術館週間になる予定です。写楽とレンブラントを見に行きます。楽しみです。

レンブラントは、昔から純粋に好きではないけれど、妙に惹かれる画家のひとりで(もう一人はゴヤ。)、オランダのアトリエも訪ねて大感激しました。芸術家が住んでいた家を訪問するのはとても楽しい。まるでそこに魂の残り香があるようで。百聞は一見にしかず。(ワイマールのゲーテハウスも、感動しました。特に「ファウスト」を書いたという一番奥の部屋は霊感に満ちていた…)

レンブラントミュージアム
http://www.rembrandthuis.nl/cms_pages/index_main.html

ここがアトリエなのだけど、北向きの部屋で、常に同じ光の角度で、描いていたらしいです。
http://www.rembrandthuis.nl/cms_pages/index_sub.php?url=/2004/tour_grooteschildercaemer_en.html&path=2,1,4&nav_lang=en


ここがレンブラントの寝室。驚きのドラえもんの押し入れベットみたいな感じだった。笑。よっぽど寒いのだろうなあと。
http://www.rembrandthuis.nl/cms_pages/index_sub.php?url=/2004/tour_grooteschildercaemer_en.html&path=2,1,4&nav_lang=en


美術館は、大好きなのだけれど、絵にエネルギーがありすぎると、フラフラになってしまうので、ある程度自分のなかに余白がないと、私はだめなのだけれど、やっと少しのりしろが出てきた感じです。震災のこととか、原発のこととか、日本のこととか、いろんなことをあまりかなしみすぎ、憂いすぎると、体がもちませんね。自分と他者と、そしてかなしみと「折り合いをつける(←いくつか前の記事にもあった)」って大切だな。それが私はどうも下手くそです。不器用。


今を大切に、大切な人/ことを大切に、生きていきたいものです。笑顔で、ケセラセラと。生きているというのは、つくづく不思議なものだけども、小我から始まって大我を、小宇宙から始まって大宇宙を、小さい物語から始まって大きな物語を見つめていたいなあ、と感じています。





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レンブラントと写楽 (いなば)
2011-06-07 18:41:14
>>>>さ。さん
絵をほめていただき有難うございます。
自分でも何を書いているのか、何を書きたいのかサッパリ分かりませんが、手が動くままに書いてます。別に、自動書記とかオカルト的な話ではないですけど。笑

写楽とレンブラント、いいですよ。
やはり、日本人としては写楽の方がカラッとしてて好きだなーと思いました。
レンブラントとか、あまりに暗すぎるというか・・

北斎も歌麿もそうだけど、むかしの日本人の絵って、人間の自我がまったく前面に出てこない不思議な絵ですよね。みうらじゅん先生のような自分なくしの旅の果てのような。でも、そこまで自分をなくしていくと、ほとんど自然とかと自分が一体化してくるので、その人特有のSignatureのようなものが自然に浮き出てくる。すごいもんです。浮世絵師というものは。


レンブラントのオランダのアトリエ行ったのですね。すごい。
そういう意味で、写楽とか北斎ってアトリエとかないですね。笑
なんかその辺でフラリと書いているんでしょうか。外で書いたり自然の中で書いたりとか。
そういう個室、それはまるでその人の脳を外部化したようなものですが、個室を持っているというのも、ある意味ヨーロッパ的な個人主義の特徴ですよね。日本も、明治維新以降、そういうのを輸入しながらハイブリッドしていたわけですし。
そんな中で、日本の良さを残しつつ欧米のを導入するという矛盾で苦しんだのが、たとえば夏目漱石とかなんでしょうね。
夏目漱石の「私の個人主義」(講談社学術文庫)とかも、いま僕らが使うところの「個人主義」とは全然違いますよね。いまの日本では、個人主義っていうのはいわば自分勝手にやるとか、協調性がないとか、やや否定的な文脈で使われやすいですしね。
脱線しました。レンブラントと写楽の話でした。


ワイマールのゲーテハウス、すごそうですね。
一番奥の部屋が霊感に満ちていたっていうのも、体感してみたい!




美術館は、確かにエネルギーがすごいので、見終わると疲れますね。数が多いし。
まあこういう不安定で不安な時代だからこそ、自分は絵画を見ます。
それは現実逃避ではなくて、現実の浅い層に振り回されるのではなくて、現実を動かす地層そのものの深い層を見たいという思いからです。実際、震災というのは、自分たちが立っているそのものを揺さぶる天災だからこそ、そこで起きる不安というのは大きいですよね。存在そのものを疑われ、揺さぶられる出来事でもありますし。


自分は基本的には<なるようになる>という楽観論者なので、あまり過剰な心配していません。なんでも受け入れる準備はできてます。まあ、自分がやるべきことをコツコツとやるのが大事ですよね。そうやって、人類はなんとか生き延びてきたわけですしね。
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