最近、自分の中で東大書籍部が熱い。
学生の時も、よく東大書籍部には行っていた。
生協っていうのに加入すれば、新品の本が全部10%OFFになるのです。
月に5万くらいは書籍関連に費やしている気がするから、チリも積もれば山となる。
自分の中で本屋通いには変遷がある。
ふと思い出してみる。
●高校時代
→気付いたら、既に漫画っ子だった。
お金がなかったから、ほとんど地元の古本屋で漫画を購入しては売るの繰り返し。三国志60巻もそこで全部買って、そこで全部売った。
こち亀も100冊近くまとめて売ったりした気がする。ゴルゴ関係も。長編物はこの古本屋は偶然にも安売りしていた。
その地元の古本屋で初めてエロ本も買った(性への目覚め?)笑
自分の中で図書館みたいな感じの場所だった。
当時はほとんど新品の本っていうのを買った覚えがない。
ジャンプとかの雑誌もまわし読みか立ち読みで済ませてたし(買うお金がなかったんです!)。
あと、漫画少年だったから、活字だけの本はほとんど読んだことなかった。小説とか。
ただ、非常勤で2カ月しかいなかった少しアウトローの現代文の女性の先生から、「君は安倍公房と立花隆はきっと好きなはず!読んでみるといいわ。」と、何故か神のお告げのように言われて(笑)、それが妙に気になってその二人の作家だけは何故かほとんど読んだ。久々に実家に帰るといっぱい本棚に置いてあった。
思い出深くはあるけど、大した特徴もない古本屋。
そこの漫画は、立ち読み含めてほぼ全部読んだ気がする。
ふと懐かしくなって最近実家に帰ったついでに行ってみたら、新幹線の拡張工事で跡形も無く潰れてた。
==========================
鴨長明「方丈記」
==========================
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。
世の中ににある、人と住みかと、またかくのごとし。
==========================
●大学時代
→東大に入り、周りの同級生が本をすごく読んでいるのに大いにビビる。
田舎から出てきた「井の中の蛙なワタシ」を感じる。
周りに岩波文庫とか外人作家とか読んでいる人が結構いて、東大に入学してくる人々の基礎教養の高さにビビる。
漫画しか読んでない自分が恥ずかしくなり、「あー、それ読んだことあるよー」とか強がりながら嘘をつきつつ(笑)、こっそりと急いで活字の本を読むようになる。これは今思うと有難かった。
自分ができる話なんて漫画かテレビか、くだらない話しかなかったもんで。
でも、以前として活字を読み続ける忍耐力がないのか、漫画が中心の生活は変わらず。
まだ、掴まれてなかったんだと思う。
その時くらいから古本業界でbook offが急成長しているのに気付く。
book offの衝撃の安さにビビり、book offで漫画を買うようになる。
そして、東京に来て巨大本屋にビビる。
神保町の三省堂にハマってたから、大学に近いっていうのもあり、意味もなく立ち寄るようになる。
その延長で、神保町の古本屋のマニアっくさと巨大さ(きっと世界一の街ぢゃなかろうか)に圧倒され、山岳部の関連グッズも最寄の水道橋に集中している(石井スポーツ、さかいや など)こともあり、無意味に神保町~水道橋界隈に出没するようになる。
神保町で、帰りに「いもや」で天丼とかとんかつを食べるのが至上の喜びだった。
●仕事し始め ~数年前
→本を読む精神的余裕なし。
ただ、今思うと、単に医学の世界に閉じてただけ。
●ここ最近
→仕事始めで、人生初というくらい閉じた生活をしていたため、その反動で、ここ最近は以前にも増して開かれてきた。
昔はこんなの読む人いるのか!と思っていた岩波文庫の圧倒的な世界感にも完全に掴まれてしまい、夜な夜な没頭して読んでいる。ちくま学芸文庫、講談社学術文庫が特に好き。
完全に本の世界から、その長く太い腕で掴まれてしまっている日々。
30歳くらいにならないと、この辺の良さは分からんかったなー。
30年間掘り続けてたから、やっとこの辺とつながった気がする。
□
今はまっているもの。
まずは哲学系。
カント、デカルトを読み始めている。後はニーチェとかギリシア哲学とか。物理学と哲学の関係も今熱中している。
日本人だと西田幾多郎は熱い。
宗教系だと、基本的に自分は禅や仏教の世界観が好きなのだと気付く。
ただ、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の一神教にも、深く読み込むと共感できるとこが多々あるので、基本的な知識を少しずつコツコツ勉強している。
他に、日本人として神道はやはり押さえておかないといけないと感じているので読んでいる。
日本文化の根底に流れている、儒教・陰陽道・道教も気になっている。
その関連で、民俗学(柳田國男、折口信夫)も気になる。
□
小説関係は相変わらずあまり読んでないけれど、田口ランディ氏と仲良くなってから興味をもって少しずつ読むようになる。
田口ランディ氏の著作は勿論全部読んで、全部好きだし、女性作家だとよしもとばなな、梨木香歩さんにもかなりはまってしまった。
現代作家だと、Is氏やShin.K氏に激しく奨められているM上H樹の作品群を読みたい。
今回の新作も、乾いた文章とエロのドギツイ描写は気になったけど、確かにまた読みたくなる作家であるのは間違いない。
□
あと、中高の教科書でしか読んだことがなかった、日本の古典文学を中心に読んでいきたい。
そのために、古典輪読会でも使っている「角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス」ってのは最高の入門書だと思って感動している。
今は、M上H樹の新作にも少し出てきた平家物語を読んでいる。
平家物語は、ほんとは琵琶法師の語りで聞く、耳から聞く文学なんでしょうけどね。いつかそんな機会あれば聞いてみたいなー。琵琶の音色と聞くと泣けてくるかもしれん。
□
東大学生時代からずーーっと気になってはいたけど縁がなくて読んでなかったジャンルとして外人作家部隊がいる。
この世界も、「光文社古典新訳文庫」という素晴らしいシリーズが最近続々と刊行されていて、異様に興味を持ちだした。
ドストエフスキーとかカミュとかシェイクスピアとかルソーとか、どんな人なのか気になるなー。
□
古本、今まではbook offで買うことが多かったけど、神保町近くに住むようになり、再度神保町に行くようにしている。
誰か一緒にいきましょう。あそこは、ほんと世界一の迷宮だと思います。あそこはすごい。まだ数%しかあそこの奥深さを知らないと思う。あそこの喫茶店も渋い。スタバとかとは全然違う異空間が広がる。
今は新書ブームで本屋に山積みになっているけど、古典とか外人作家とか宗教系とか哲学系とか岩波シリーズとか、そんな硬派な本は神保町や古来から綿々と続いている古本屋にこそ、お宝のように眠っていることに気づいた。
だから、最近は神保町とかにある頑固オヤジがやってそうな古本屋で物色するのが好きなのです。
□
そして、東大に久々に戻ってきたら、東大本郷キャンパスの書籍部の品揃えの良さに驚いた!
哲学も歴史も心理学も、なんでもかんでも、ほかの本屋で見たことがないマニアっくな本で埋め尽くされている!
しかも、過去の東大教授の学問生活全部がその一冊に詰め込まれているような、汗と涙の結晶のような本がいっぱいあって、なんとなく抱きしめたくなるほど自分の心に訴えてくるものがある!笑
そんな感じで、東大に戻ってきてから、少し時間ができると東大書籍部で10%OFFの本を買い(Amazonで買うのが減少してきた)、医学図書館を活用しつつ(医学図書館は白衣のまま行けるのでフラリと行きやすい)、休日は神保町ワールドを堪能している。
最近は、東大の書籍部が自分の中で熱い!
ということを言おうと思って書きだしたんだけど、いつのまにかに無駄にこんなにいっぱい書いてしまった!笑
ま、そんな日々ザンス。
学生の時も、よく東大書籍部には行っていた。
生協っていうのに加入すれば、新品の本が全部10%OFFになるのです。
月に5万くらいは書籍関連に費やしている気がするから、チリも積もれば山となる。
自分の中で本屋通いには変遷がある。
ふと思い出してみる。
●高校時代
→気付いたら、既に漫画っ子だった。
お金がなかったから、ほとんど地元の古本屋で漫画を購入しては売るの繰り返し。三国志60巻もそこで全部買って、そこで全部売った。
こち亀も100冊近くまとめて売ったりした気がする。ゴルゴ関係も。長編物はこの古本屋は偶然にも安売りしていた。
その地元の古本屋で初めてエロ本も買った(性への目覚め?)笑
自分の中で図書館みたいな感じの場所だった。
当時はほとんど新品の本っていうのを買った覚えがない。
ジャンプとかの雑誌もまわし読みか立ち読みで済ませてたし(買うお金がなかったんです!)。
あと、漫画少年だったから、活字だけの本はほとんど読んだことなかった。小説とか。
ただ、非常勤で2カ月しかいなかった少しアウトローの現代文の女性の先生から、「君は安倍公房と立花隆はきっと好きなはず!読んでみるといいわ。」と、何故か神のお告げのように言われて(笑)、それが妙に気になってその二人の作家だけは何故かほとんど読んだ。久々に実家に帰るといっぱい本棚に置いてあった。
思い出深くはあるけど、大した特徴もない古本屋。
そこの漫画は、立ち読み含めてほぼ全部読んだ気がする。
ふと懐かしくなって最近実家に帰ったついでに行ってみたら、新幹線の拡張工事で跡形も無く潰れてた。
==========================
鴨長明「方丈記」
==========================
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。
世の中ににある、人と住みかと、またかくのごとし。
==========================
●大学時代
→東大に入り、周りの同級生が本をすごく読んでいるのに大いにビビる。
田舎から出てきた「井の中の蛙なワタシ」を感じる。
周りに岩波文庫とか外人作家とか読んでいる人が結構いて、東大に入学してくる人々の基礎教養の高さにビビる。
漫画しか読んでない自分が恥ずかしくなり、「あー、それ読んだことあるよー」とか強がりながら嘘をつきつつ(笑)、こっそりと急いで活字の本を読むようになる。これは今思うと有難かった。
自分ができる話なんて漫画かテレビか、くだらない話しかなかったもんで。
でも、以前として活字を読み続ける忍耐力がないのか、漫画が中心の生活は変わらず。
まだ、掴まれてなかったんだと思う。
その時くらいから古本業界でbook offが急成長しているのに気付く。
book offの衝撃の安さにビビり、book offで漫画を買うようになる。
そして、東京に来て巨大本屋にビビる。
神保町の三省堂にハマってたから、大学に近いっていうのもあり、意味もなく立ち寄るようになる。
その延長で、神保町の古本屋のマニアっくさと巨大さ(きっと世界一の街ぢゃなかろうか)に圧倒され、山岳部の関連グッズも最寄の水道橋に集中している(石井スポーツ、さかいや など)こともあり、無意味に神保町~水道橋界隈に出没するようになる。
神保町で、帰りに「いもや」で天丼とかとんかつを食べるのが至上の喜びだった。
●仕事し始め ~数年前
→本を読む精神的余裕なし。
ただ、今思うと、単に医学の世界に閉じてただけ。
●ここ最近
→仕事始めで、人生初というくらい閉じた生活をしていたため、その反動で、ここ最近は以前にも増して開かれてきた。
昔はこんなの読む人いるのか!と思っていた岩波文庫の圧倒的な世界感にも完全に掴まれてしまい、夜な夜な没頭して読んでいる。ちくま学芸文庫、講談社学術文庫が特に好き。
完全に本の世界から、その長く太い腕で掴まれてしまっている日々。
30歳くらいにならないと、この辺の良さは分からんかったなー。
30年間掘り続けてたから、やっとこの辺とつながった気がする。
□
今はまっているもの。
まずは哲学系。
カント、デカルトを読み始めている。後はニーチェとかギリシア哲学とか。物理学と哲学の関係も今熱中している。
日本人だと西田幾多郎は熱い。
宗教系だと、基本的に自分は禅や仏教の世界観が好きなのだと気付く。
ただ、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の一神教にも、深く読み込むと共感できるとこが多々あるので、基本的な知識を少しずつコツコツ勉強している。
他に、日本人として神道はやはり押さえておかないといけないと感じているので読んでいる。
日本文化の根底に流れている、儒教・陰陽道・道教も気になっている。
その関連で、民俗学(柳田國男、折口信夫)も気になる。
□
小説関係は相変わらずあまり読んでないけれど、田口ランディ氏と仲良くなってから興味をもって少しずつ読むようになる。
田口ランディ氏の著作は勿論全部読んで、全部好きだし、女性作家だとよしもとばなな、梨木香歩さんにもかなりはまってしまった。
現代作家だと、Is氏やShin.K氏に激しく奨められているM上H樹の作品群を読みたい。
今回の新作も、乾いた文章とエロのドギツイ描写は気になったけど、確かにまた読みたくなる作家であるのは間違いない。
□
あと、中高の教科書でしか読んだことがなかった、日本の古典文学を中心に読んでいきたい。
そのために、古典輪読会でも使っている「角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス」ってのは最高の入門書だと思って感動している。
今は、M上H樹の新作にも少し出てきた平家物語を読んでいる。
平家物語は、ほんとは琵琶法師の語りで聞く、耳から聞く文学なんでしょうけどね。いつかそんな機会あれば聞いてみたいなー。琵琶の音色と聞くと泣けてくるかもしれん。
□
東大学生時代からずーーっと気になってはいたけど縁がなくて読んでなかったジャンルとして外人作家部隊がいる。
この世界も、「光文社古典新訳文庫」という素晴らしいシリーズが最近続々と刊行されていて、異様に興味を持ちだした。
ドストエフスキーとかカミュとかシェイクスピアとかルソーとか、どんな人なのか気になるなー。
□
古本、今まではbook offで買うことが多かったけど、神保町近くに住むようになり、再度神保町に行くようにしている。
誰か一緒にいきましょう。あそこは、ほんと世界一の迷宮だと思います。あそこはすごい。まだ数%しかあそこの奥深さを知らないと思う。あそこの喫茶店も渋い。スタバとかとは全然違う異空間が広がる。
今は新書ブームで本屋に山積みになっているけど、古典とか外人作家とか宗教系とか哲学系とか岩波シリーズとか、そんな硬派な本は神保町や古来から綿々と続いている古本屋にこそ、お宝のように眠っていることに気づいた。
だから、最近は神保町とかにある頑固オヤジがやってそうな古本屋で物色するのが好きなのです。
□
そして、東大に久々に戻ってきたら、東大本郷キャンパスの書籍部の品揃えの良さに驚いた!
哲学も歴史も心理学も、なんでもかんでも、ほかの本屋で見たことがないマニアっくな本で埋め尽くされている!
しかも、過去の東大教授の学問生活全部がその一冊に詰め込まれているような、汗と涙の結晶のような本がいっぱいあって、なんとなく抱きしめたくなるほど自分の心に訴えてくるものがある!笑
そんな感じで、東大に戻ってきてから、少し時間ができると東大書籍部で10%OFFの本を買い(Amazonで買うのが減少してきた)、医学図書館を活用しつつ(医学図書館は白衣のまま行けるのでフラリと行きやすい)、休日は神保町ワールドを堪能している。
最近は、東大の書籍部が自分の中で熱い!
ということを言おうと思って書きだしたんだけど、いつのまにかに無駄にこんなにいっぱい書いてしまった!笑
ま、そんな日々ザンス。
以前オフィスが神田三省堂の近くにあったこともあり、資料探しに仕事中抜けてよく行ってました。気づきが多いんですよね。また、東大の本屋も確かに今行くとずいぶん印象違うんだろうなー。当時は、マニアックな人が必死で立ち読みしてて、しかもマニアックな本ばっかり、という印象でしたが。建物内部もなんか暗いし、埃っぽいし(笑。今は違うのかな)。
最近、講談社学術文庫や、岩波文庫(青帯)で、「教科書で知った」本読んでます。贈与論とか。あ、あと「意識と本質(井筒俊彦)(岩波文庫・青)」面白かったです、もしまだならお勧めです、お好きかも。1Q84も読みましたし、個人的にた面白かったけど、100万部も売れる意味がよくわかりません。もっとマニアックな本だと思うのですが。。。
書いてらしたように、仕事とプライベートの本のバランスって、時間が限られてるだけに難しいですよね。最近はプライベートで得た視点も仕事に還元できるはず&小手先の仕事術の本は読むのやめよう、と割り切ることにしてみました。新しいものと古いもののバランスがいつも課題です(笑)。
「教科書に引用されたり、名著として長年語り継がれている本には、何かとても大事で時代など関係なく人間の根底に流れるものに響くことが描かれているに違いない」と思って読み始めたのが夏目漱石、という単純な子供でした。
実は、駿台市ヶ谷時代に英語の大島先生(覚えてる?)が配った一枚のプリントをもとに、今も本を選ぶことがあります。それは「大島がお勧めしたい本」というプリントで、予備校時代からかなり時間がたっているけど、尊敬する大島先生のお勧めだから!とおもって今もそこからちょいちょい選んでは読んでいます。
最近は、私もデカルトを読んでから興味をそそられて、現象学とかポストモダンとか勉強してみようと思っています。ちなみに
NHKブックス「現象学入門」竹田青嗣
↑これ、お勧めです。
<主観/客観>という図式を乗り越え、世界の存在の意味を解明する!
↑このうたい文句、そそられたねぇ、面白かったです。
…にしても、東大生協!すごいよね。
私も愛用していますが、気づくと数時間たっていたりして…
特に美術史のコーナーが、私は好きです。
ので、付け足し。
NHKブックス「現象学入門」竹田青嗣
↑これ、お勧めです。
<主観/客観>という図式を乗り越え、世界の存在の意味を解明する!
↑このうたい文句、そそられたねぇ、面白かったです。
でした。
スミマセン。
すまん!
「主観、客観という図式を乗りこえ」です。
何となくお昼少し前に行って、ぶらぶらと眺めつつ、路地裏にあるお店でお昼ご飯を食べて、最後に三省堂の本店(だったっけ)でその日の締めくくりとばかりに本を買うのが面白かったです。
さぼーるとかの喫茶店も、薄暗くて独特ですね。
東大の生協は、学生時代に何回かお邪魔したことがありました。
東大の社研という組織で社会科学の現象を扱うための統計学や理論の勉強会があったので、そのときにちらりと寄ってました。
確かに、うらやましいほど豊富な品揃えだった。思想や自然科学系であれほどマニアックな品揃えをしているところはないでしょうね。雑誌にしても。
もっともぼくは部外者なので10%の割引はなかったですけれど(笑)。
本を読むこといたいについては、よく昔話で、大学に行ったら回りがすごい本を読んでいて負けないように読み始めたというのを聞いたことがあります。そういうのがある意味切磋琢磨のはじまだよね。
最近は、このブログやコリン会でも、デカルトや仏教の話も出てきていて、改めて、ぼくもそんな世界を自分の中にも作っていきたいという欲求にかられています。とてもいい刺激です。
学生を終えてからの方が人生は長いわけで、その中で得る経験、成長していく精神に見合った知的な栄養を自分の中に取り入れ続けたい。そうやって、わからないことが次第にわかったり、わからないものはわからなくてもいいと思えたり、その過程を眺めていきたいものです。
そんな大好きな本屋(日本語)が上海にはないのが、その点ではいたいところですが、帰ったときにこれでもかってほど買っていきたいです。
最後に、1Q84ですが、ものすごい売れてるようですね。
ぼくは村Kさんの作品を流行だからという理由で手にとることも、興味深いとともに、好ましい現象ではないかと考えたりします。
それは、わかりやすく誰でも手にとって読んだら、簡単にわかる新書でよくあるようなベストセラーとは中身が違うと思うからです。
何だか軽い気持ちで掴んだものが、想像よりも重いものだったという、冷静に判断したら選ばない選択肢を持った時の反応を観察したいということもあります。
以前、家の親が「ノルウエーの森」がはやったときに、手にとったそうです。ですが、それ以来彼の文学を読むことは無いと思ったほど、嫌いになったそうです。
全く理解できないというか、受け入れられない世界観だったとのこと。
その批判の内容は、田中康夫氏がしている成熟しきれていない大人像とよく似ていましたね、そういえば。
親の感想としては、モラトリアムを経験しておらず、貧しく幼いときから働いていた環境からすると、感情的に受け入れられないという感想でした。
万人受けする内容ではないし、自分の中の意識の井戸をどのくらいえぐった経験があるかによっても、その反応が変わってくるように思えます。
普段読んだことが無い人の感想ほど、聞いてみたいです。
ぼく自身は彼の作品の中では、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』が大好きです。あと、エッセイかな。エッセイストとしてのM氏の視点や文体も、自分にとっても素直に生きている生活スタイルが非常に好きです。
なんて書いていたら、やっぱり新作の1Q84もすぐに読みたくなってきました。7月に帰ったときに入手しなければ!
とりとめもないコメントでした。。。
◆mayu様
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
神田三省堂、イイですよね!!
あれだけの本があると、頭がクラっとしてくる瞬間もありますが、
なんともなく全てのフロアの全ての本をザーっとみていると、
なんか現実世界から遙か彼方に連れていかれた気がして、すごく面白い。
数時間いて外に出ると、スーツ姿の人が歩いていて普通の世界が動いていて、
そこでふと我に返ります。笑
東大の本屋、今でも変わらず、自分も含めてマニアな人がマニアな本を見ている風景は
変わらないと思いますよ!笑
でも、なんか自分の中での世界を見る視点が深くなってきたので、
そうなると東大書籍部も全然違う空間に見えてきて、
それがすごく面白いんです。
いかに自分の心の様相で、世界が色んな風景に見えるか、
それを実感しています。
「意識と本質(井筒俊彦)(岩波文庫・青)」、買ってあります。
しかも、手元に近い机の上に山積みになっているとこにあるので、
自分の中で優先順位が高い場所に置いてあります。笑
井筒俊彦さんの、「イスラーム文化-その根柢にあるもの」(岩波文庫)
ってのは個人的に分りやすかったです。
イスラムを全然知らない自分には、いい入門書でした。
岩波の中でも、文章が分りやすいんですよねー。
とりあえず、「意識と本質」は早めに読もうっと。
「1Q84」、僕も読んだ人と色々語りたいんですよねー。
かなり深いなぁと思いましたよ。
色んなテーマが錯綜しているし、多層的に読めるというか。
100万部も売れてるようですが、2冊目からが怒涛のように話が進んで面白い。
きっと、買ってはみたものの1巻目で投げだしちゃう人も多いかもしれませんね。
それだと勿体ない!
僕も、小手先の仕事術の本は読まないようにしています。
なるべく、自分とまったく違う世界の本を読むように。
自分の本能に従って、自分の長期記憶と呼応するような読書をしているとこです。
古典の海はものすごく広大で、果てしなくて、嬉しい悲鳴です。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
◆maki様
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
駿台の大島先生、懐かしいなー。
というか、そのプリントってすごく興味深い。
高校当時、まさか自分がカントの「純粋理性批判」を自主的に読むようになるとは夢にも思わなかったけど、
田口ランディさんと話して刺激を受けてしまった経緯で、少しずつ読み始めています。
上、中、下もあるんで、全部読みとおせるんだろうか。
でも、時空を超えてカントの思いが伝播してきますわ。
竹田青嗣さんは、Isくんに語らせると止まらないんじゃない?笑
「ニーチェ入門 (ちくま新書)」を買っているので、それを読まなきゃ。
課題図書が山積み!笑
今はカントと西田幾多郎をよんでるとこ。
あと、水木しげるの漫画とか、あさきゆめみしとかも読んでたりする。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
◆Shin.K様
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
さぼーるの喫茶店、いいよねー。
薄暗いんで、本読んでると目が悪くなりそうではあるけど。笑
東大の生協の書籍部は、学生のときにはあまりあの凄さが分からなかった気がする。
その辺の本屋と、品揃えがまったく違うんで、
しかもAmazonで探すのと違って、実際手にとって読めるし、すごくいいねー。
ジュンクドウも青山ブックセンターもすごく好きだけど、最近行ってないなー。
今は古本屋に心奪われております。
今度日本戻ってきたら、一緒に神保町散歩しましょー。
「大学に行ったら周りがすごい本を読んでいて、負けないように読み始めた」
→これ、まさしく僕にとってShin.Kくんも間違いなくそうだよ!!!
すごく影響受けてるんです、本当に。
<本を読むこと>は、「死から生を見る」ことでもあると考え始めているんですよね。
現時点でも、生きている人間なんてせいぜい50億人しかいない。
それに比べ、死者は桁外れに多い。
だから、僕は生から死を見ることは方法論的な限界があると思っていて、
死から生を見ようと思っている。
これは、他者から自己を、無から有を、というのと同じような視点。
本って、自分で書こうと思っても、一生に数冊かけるかどうか。
というか、1冊も書かない人生の方が多い。
そんな風に人生の密度が詰まっているからこそ、そこに「思い」を感じる。
自分も30歳になったし、そろそろそんな「思い」を引き受けて、
また下へと伝えていく役目を果たさないといけないんじゃないかと思いだしているんですよね。
なんとなく、古典を読んで言ると、死者と話しているような不思議な気になってくる。
徒然草「あやしうこそものぐるほしけれ」ってこのこと?
1Q84、是非ともShin.K氏のように深く村上文学を読み込んでいる人に、その感想を聞きたい!
「何だか軽い気持ちで掴んだものが、想像よりも重いものだった」
これ、響きますよね。
僕は手塚漫画がそうです。
漫画だからって気軽に読み始めると、クラクラするようなすごいテーマが隠れてたりする。
でも、M上H樹のような、そんなすごい人と同時代を生きてるってのは、なんとなく嬉しい。
そして、彼が僕ら同時代に投げかけているものを、僕らは呼応しあいながら生きていきたい。
同時代に生きているってことは、M上H樹と会えるということ、話せるということ。
そんな風に真剣に現代や過去や未来を考えている人と、真剣に現代や過去や未来を考えていきたい。
それが、死んでなくて生きているってことだとも思いますね。
お互い生きているからこそ、こうしてShin.K氏とも呼応しあえるのだから、
そんな当たり前のことに、感謝しなきゃならんと改めて思います。
メディア環境と食生活の貧しい毎日を過ごしております。
新聞も読めない毎日、ブログの皆様の声が
ホント、励みになるわ~。
東大の生協いいですよね。
慶応大学湘南藤沢キャンパスの小熊英二先生ですら、
本を探すなら、東大生協っておすすめしてますもんね。
竹田青嗣さん、…おっしゃるとおりで、
「好きな話」ばりに、語ります。
竹田本も多分、9割くらい読んでると思う。
あそこは、小坂修平系列の一派があって
西研さんと竹田さんのコンビは兄弟のような仲間ですね。
(西さんは、なぜか、京都の大学を建築探訪中に
ばったりキャンパスで会って、
いきなり「ファンです!」って、西さん驚いてました(笑)
>自分と違う世界…
というと、サイエンス系、宇宙論とか、物理学とか、
宮台真司『サイファ』が、色んな、「超越系」の
本の紹介をしていて、それを入り口に色々読みました。
生きるのに直接必要のない知識って
なんでこんなに心地よいのでしょうかね?
やはり、人間は蕩尽的な要素が本質的にあるのでしょうかね。
「1Q84」
ホント、読んだ人みんなが語り合いたがってる気がする。
内田樹さんのブログも村上愛に満ちていて良いですね。
50年ごとか歴史的に語られるのかな~?
ホント、こうした作品を同時代に読めることはうれしい。
100万部問題(?)も1テーマですよね。
絶対、難解な作品だと思うもの…これがベストセラーとは!
これからは、新生活、
書籍代がちょっぴり禁欲かな?と
(勝和世さん的に月15万くらい買いたいな)
でもでも、そんな時はそんな時で
これまでのストックを熟読したり、
古典を熟読したり、
ちょっぴり時代のベストセラーから距離を置くことで
見えてくる世界がまたあるのかなと。
ホント、今生は人間で良かった(…さらに言えば、日本人でも良かった)
文字文化に触れ、言葉が操れ、四季を堪能し
(セミでなくて良かったと思うよ。毎年夏場には。
セミだと四季が堪能できない!
…とはいうものの、セミはセミなりの良さもあるのかな?
景気動向に頭悩ませなくてすむか?)
>「大学に行ったら周りがすごい本を読んでいて、負けないように読み始めた」
…この点、ぼくは今、「建築」でものすごく受けてます。
すっかり、怠惰でした。諸先輩方はスゴイ!
やっぱり環境は大切ね。
と、同時に、世代ごとの使命みたいなものも再確認。
単にマネするだけじゃ、ダメ。
敬意を払いつつも、継承と発展ですね。
いろいろ楽しいこと多い世の中ですな~。
◆Is様
>>>>>>>>>>>>>>>>
お久ぶり!初の一時的なひとり暮らしはどないな感じですか?
僕も、最近は特定の人のブログをチェックするのが楽しみで、
有名人+友人のブログをクリックして更新されてないかが日々の日課で御座います。
病院内で手元に何も無くて時間あるときは、
よく松岡正剛さんの「千夜千冊」を読んで、
なんか読書した気になって自己満足したりしてます。笑
全然関係なくてしかも偶然なんだけど、
小熊英二『単一民族神話の起源』(1995 新曜社)
ってのも、千夜千冊での書評で勝手に読んだ気になってたりします。
東大の生協は、ほんと6年ぶりくらいに戻ったら、全然違うものとして見えましたよ。
有る意味、自分も過剰な仕事を通して、少しは成長しているのかなーなんて思いました。
前よりも、深いレベルでほかのジャンルに興味が湧いてきたのですよね。
医学っていう軸を、現場レベルで体感して、その光と影も見たからこそ、
他のジャンルとの相互作用的な関係性がより見えてきたというか。
そういう意味で、数年間閉じて専門の学問をしていたのは、
今開くための布石だったのかもしれん。
竹田青嗣さん、話がわかりやすいのよねー。
小林よしのりのゴーマニズム宣言に時々出てきて、
その関係で昔から少し読んでました。
またISくんにも色々解説してほしいなー。
好きな人からの愛情あふれる解説聞くと、
俄然として更に興味が湧いてくるもんです。
生きるのに直接必要のない知識って、
きっと本能的にバランス取ってると思うのよね。
必要がある知識とか、仕事とかに役立つ知識とか、
そういうのに毒されすぎているんでしょうな。
自分の深い根っこを形成するには、
哲学とか歴史とか宗教とか文化とか神話とか民俗学とか・・
そんな人間の学に対する深い洞察が、
水のように体の細胞にしみわたっていくことが必要なんでしょうねー。
Is君のセミでなくて良かったってのは、
「竹内整一『「はかなさ」と日本人』」(2009-02-17)
のトピックで書いた、
-------------------------------
善導『浄土論註』・親鸞『教行信証』より
-------------------------------
蛄(けいこ)春秋を識らず、
伊虫(いちゅう)あに朱陽の節を知らんや
-------------------------------
「蛄けいこ=夏蝉」は春秋を知らない。
その夏蝉が、何故に「
朱陽の節=赤い太陽の季節=夏」を知ることができるだろうか。
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ということだよね。
ある閉じられた世界で生きるものは、
そこを大きく包む世界を知ることはできないってこと。
これは、生命至上主義だけで生きていくことが、
死や死後に対して全く語る言葉を持てなくなることと同じなのかもしれんね。
「大学に行ったら周りがすごい本を読んでいて、負けないように読み始めた」
問題に関しては、Shin.K氏はもちろん、Rym氏やIs氏にも
モチのロンで影響受けてます。
自分が深めてなかったジャンルに関して、
情熱や愛情を持ってドンドン深めて行っている人と出会うと、
書物で受ける感動とまた違って、生身の人間から得る感動は大きい!
そうやって、
色んな人の影響を受けながら、そんな他者との複雑な縁起の結果、
無常なワタシってのは形成されるなぁということに、
日々改めて感じている次第でゴンス。
アカデミックな気になれるいい本屋ですよね。生協の割引は受けられないですが・・・(いま加入しても割に合ったりして!?)
生協で買った本を本郷通り沿いのタバコくさいカフェドクリエで読むのが最高の贅沢だったな~と思い返します。時間ゆっくり使ってまた行きたいなーと、いなばさんの文章読みながら思い返しました。
懐かしさからのコメントで、とくにオチはないです。いなばさん、新生活はいかがですか?新職場はなにやら伏魔殿のようですが・・・
◆Rymくん
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東大生協、立ち読みしだすとキリないんですよねー。
しかもハードカバーの普通の本屋ではお目見えしないような本が多くて、一冊5000円とかするのも多いんですが、引越しとかしないような家に住むようになれば、こういうのも気兼ねなく買えるようになるのになー。
部屋がきしみだすといけないんで、今はハードカバーとかは少し遠慮してるんですよね。文庫版を中心に買うようにしている。
とは言っても、買ってるハードカバーの本、多いけど。笑
東大書籍部も、祝日は休みだけど土曜は10:00~17:00でやってるし、お奨めー。
わしがいるときなら割り引きで買えるしね。
しかも、今月は光文社古典新訳文庫がフェアで15% OFFになってるのよね。出たばっかりの「道徳の系譜学」(ニーチェ/中山 元 訳)も買っちゃいました。
カフェドクリエは確かにタバコくさかったなー。
というか、RYM氏と初めて会ったのは、そのカフェドクリエの気がします!
確か、Alexisもいたと思う。
昔、喫茶店とかカフェって言うと、読書に励みつつも、タバコくさいのが当たり前で、まあそれはなんとも思わず我慢してたけど、今はスターバックス含めて禁煙のカフェが多くて、禁煙者にとっては住みよい環境になってきました。
愛煙家は可愛そうだけどねー。昔の喫茶店はタバコ王国だったし。
わしも、この前東大の学食でご飯食べて、なんとも言えずタイムスリップしましたよ。
学生時代、クライミングの後にみんなで中央食堂でご飯食べて帰ってたなーとか思ってね。笑
新職場は、官僚の世界と同じで非効率な世界だけど、まあ楽しくやってますよ。研修医の先生と昼ごはん食べたり、心臓の講義してあげたり、心臓超音波の実技とか、カテーテルの手技を教えてあげたりしてね。
昔は、自分もこうして面倒見いい年上の先生を見つけて教わってたなーとか思ったりして。
なんか、東大の土地って、自分の学生生活思い出して不思議な気持ちになりますよ。6年くらいタイムスリップしながら同時に生きている感じ。