日常

私は貝になりたい

2008-12-05 23:54:05 | 映画
映画『私は貝になりたい』を見てきました。
ミスチルが主題歌、坊主割引、Is氏に誘われたというのがきっかけ。

基本的にいい映画だった。お薦めできる。
途中のとこで何回か涙してしまった。


内容書くとネタばれするんで書きませんけど、
感じたことは
・軍隊生活の不条理な暴力(これは色んな文学で書かれているんで凄まじいんでしょうね。岡本太郎も、軍隊で絵を描かされたのが人生で最も辛い空白の数年間だったってよく言ってたし)
・一生連れ添う人と出会えること自体奇跡的。それなのに、別れないといけない過酷な運命の不条理な辛さ。
・中居君は演技ウマかった。
・自然の美しさ。
・言葉にならない嗚咽のようなものは、言語を超えて人間の根源に訴える力がある。
・過去、無念な思いで死んでいった人は多かったんだろう。
・不条理な過酷な世界では、来世とか生まれ変わりとか輪廻のようなものをイメージした方が今を生きる強度が増すんだろう。
・「花の匂い」・・やっぱ桜井和寿の歌詞はいい。

ピンポイントで書くとこの辺は強く感じた。


個人的にドシンと降りてきたのは、戦争は色んな人の無念な思いに満ち溢れているんだろうなぁということ。結構リアルにドスンと感じた。イマは、そういう過去の積み重ねだなぁっていう、時間の強度のような質感を感じた。
マスコミとか世論とか、あるモノカルチャーな文化に動き出すとき、個人ではどうしようもなく無力なのかなぁとか、戦争の殺しあう世界は暴力の極限を具現化した世界だなぁとか。


戦争反対!ってスローガンは簡単だし誰でもリスクなく言える。
戦争といわずとも暴力と言い換えてもしれないけど、圧倒的な暴力がきたとき、それに対してどう対処するかっていうのはそれなりの知恵を用意しとかないといかんなぁと思った。
今、圧倒的な暴力の前には、よい理論も実践もないのが現実。暴力には、それより更に大きな暴力で対応するっていう、力の論理しかない。原爆を正当化する論理と同じ構造に組み込まれてしまう。それではいかん。核開発を世界中がしているのと同じ理屈で、もう果てしない。単なる暴力の連鎖。それではいかん。
いい知恵はないものか。


まあ、そういう「圧倒的な暴力」に立ち向かう術を、今のうちに少し講じておかないと、戦争が起きたらきっとこの映画が描いてる世界に簡単に変わっちゃうんだろうなぁって思った。いとも容易く世論って変わるのかも。 マスコミも目には目を、歯には歯を!みたいな復讐の理論で迫ってくるんだろうし。それがすごく想像できる。いかに仲間・同胞である日本人が残酷に殺されたかとか、自分の愛する人が殺されたことをイメージさせたりして、そこから沸き起こる憎しみや復讐心を引火させて、暴力の報告行為としての暴力を正当化する論理を結びつける芸当をしそうだなってね。

その辺の理論と実践は、平和なうちに前準備しとかんといかんかもしれませんな。


戦争中のいろんな人の無念な思いを感じ取っただけに、そこを噛み締めながら、いいアイディアがないか生きながら考えてみたいって思った。

2 コメント

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別トピックに (いなば)
2008-12-06 09:47:19
Is氏へのコメント、果てしなくなってきたんで、別トピックにわけちゃった。

いやー、呼応していくことの面白さを最近身にしみて感じてるのよね。

自分一人でもがいてた領域。ほんの数mmしか動いてないけどすごく動いた錯覚になる。

でも、刺激を受ける呼応できる他者って、もうはるか彼方に一瞬で連れて行ってくれる。

このワープ感は面白い。ドラクエの呪文で言うとルーラ?笑


この29年間、個人で頑張りすぎたのかもしれん。もっと自分の限界を認めて、他者と呼応して、いろんなものをすり合せながら生きていきたいなー。
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対極の世界。主体性/自由/個人 (Is)
2008-12-06 00:01:07
アップ早っ!

家族の愛ものは、分かっちゃいるけど
やっぱり弱い。涙。

正直、今のぼくには、
対極すぎて、分からなかった…
というか、すんなり入り込めなかった。
重くて、正直、「嫌だな」と。
ネタバレになっちゃうので、
詳細は言えないけど、
タイトルに込められた思いが
中居くんから吐露されたとき、
もう、ホント、今のぼくの対極の対極。
今のぼくは、「私は私になりたい」だもの。

…ただ、もしかしたら、
今の、この平和な日本で、
このメッセージが直球で受け入れられる
こともあるのかもしれないなと。
その辺、考えると、悲しいです。

そういう意味では、朝、
「カッコーの巣の上で」
も見てきたんだけど、
結構、似たものがあったかも。

どちらも、
「主体性なき世界」を描いている点が
共通してるか?

つくづく、自分は
主体性や自由や個人なんて
価値を至上のものと考えてるんだと思う。
(対極のものから対照して)

そういう意味では、
『バイオの黙示録』は、
すごく、重さもあるんだけど、
こちらの世界の方が、自分的には
相性がいい。
バイオ技術の進化しすぎた未来の
おぞましさも描いているんだけれど、
こちらの世界には、まだ自由の芽がある気が。

おっと、テレビには、
Salyu(とアヤパンと小林武史)
が出てました。
ベスト出たのね、
実は全然知らなくて、
聞いてみよっと。

…こうして並べると、
ものすごい影響の受け方(笑)
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